森久保祥太郎「新しいものを作った感覚」 オンラインライブとの向き合い方を語る

森久保祥太郎に聞く「配信ライブ」への意気込み

 人気声優・森久保祥太郎が、11月14日に自身初の無観客オンラインライブ『森久保祥太郎 LIVE 2020 心・裸・晩・唱~PHASE8~ONLINE』を開催する。

 もともとは10月〜11月にかけて全9公演のツアーを予定していたが、コロナ禍で全公演中止となり、その代わりとして、ツアーファイナルを予定していた11月14日に配信を行うことが決定した。

 9月にオンラインで開催された『おれパラPRESENTS ORE!!SUMMER 2020』の経験を踏まえて「新しいアイデアを考えるのが楽しい」と話す森久保。オンラインならではの演出や、新曲の発表も予定しているとのこと。一体どんなライブになるのか、見どころを一足先に聞いた。(榑林史章)

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激しい曲よりもメッセージを伝える曲に重きを

——11月14日に、森久保祥太郎さん初の無観客オンラインライブ『森久保祥太郎 LIVE 2020 心・裸・晩・唱~PHASE8~ONLINE』が、ABEMA PPV ONLINE LIVEで配信されるとのこと。11月14日に向けて、今はどんなお気持ちですか?

森久保祥太郎(以下、森久保):もともとはツアーという形でやる予定だったんですけど、コロナで世の中がこういう状況になって。それで僕自身としては、5月くらいから今回のようなオンラインの形に切り替えて、早く準備を進めたほうが良いんじゃないかと思っていたんです。でも状況がどうなるかわからなかったから、ギリギリまでやれる可能性をずっと探っていて、そんな中で先日ABEMAさんで11月14日の18時からライブ配信が出来ると、アナウンスが出来た瞬間から、もやが晴れたように気分が軽くなって、気持ちのスイッチも入って現在リハーサルをやっています。僕らとしては、モノを作る脳みそを動かしている時がいちばん幸せです。どうアプローチして良いか分からず、やれるかやれないかの狭間で悶々としていた時がいちばん辛かった。どんな形であれ、モノを作るとなった瞬間からすごく楽しいです。

——もともとツアー用に準備してきたものがあったと思いますが、それとは違うものになるということですね。

森久保:当初は2年ぶりのツアーになる予定だったから、やりたいことをたくさん考えていたんです。結果的に配信という形になったこともあって、セットリストとか当初考えていたものとは内容が変わりましたけど……。配信になったからと言って、予定していたものよりも見劣りしてしまうということは決してなくて。配信だからこそ出来る面白い演出をいっぱい考えたので、それがどんなものなのか楽しみにしていて欲しいですね。

——森久保さんにとって初の試みではあるけれど、不安要素はまったくないということですね。

森久保:そうですね。9月19日と20日に『おれパラPRESENTS ORE!!SUMMER 2020』というイベントを、配信という形で開催した経験しているので、そこで得られたこともいっぱいありました。『ORE!!SUMMER』での経験があるので、それとも違った自分のライブだからこそやれる演出のアイデアがいっぱい出てきています。

——『ORE!!SUMMER』では、どんな手応えを感じましたか?

森久保:もちろんライブというものは、目の前に来てくれたお客さんがいて、そのみなさんとその場の空気感や同じ時間を共有するのが理想なんですけど……。そのお客さんが目の前にいないという状況であったとしても、曲やパフォーマンス自体に伝えたい思いやメッセージがあったので、それを届けるんだという気持ちとかエネルギーは、ちゃんと伝えることが出来たという実感がありましたね。お客さんの歓声が目の前から聞こえてくるわけではないんだけど、お客さんとちゃんと繋がっている感覚を得ることができました。

——ステージの楽しさは、画面からでも見る側には伝わってきますからね。

森久保:その時も配信だからこその演出をしようと、メンバーのみんなと話していたことがけっこう面白くハマったので、これはこれで今後もやっていくのもアリなんじゃないかなと思いましたね。もちろん通常のライブをやれる日が1日でも早く来れば良いなと思っているんですけど、それと並行してと言うか、それとは違う見せ方のものとして、これが新しいスタンダードになって行くんだろうなと思いました。だからいわゆる通常のライブの廉価版という意識はまったくなくて、新しいものを作った感覚のほうが大きかったです。だから9月『ORE!!SUMMER』でその感覚を得られたのは、すごく良かったです。

——今回のライブで伝えたいことが森久保さんの中にしっかりあって、それをどう伝えるかというところで、今回の選曲やライブパフォーマンスなどを考えられていると。

森久保:そうですね。今回は、自分のことを長年応援してくれているファンクラブで、今年の頭くらいかな? 僕の楽曲の中でライブで聴きたいと思う曲を1人5曲ずつ挙げてもらうということを、ファンクラブ限定のブログの中でやっていて。その時はまだコロナ禍になる前で、みんなも通常のライブを想定していたから、いっしょに騒げるような曲が人気で投票の上位を占めていたんです。僕もそういうつもりで考えていたんですけど、今回は配信になったことで、アッパーの曲もありながら、ドシッとメッセージをしっかり伝えられる曲を、きっちり挟んでいくことが大事だなと考え直しました。オンラインになって何が変わったかと言うと、一つはそういうセットリストに対する考え方です。もちろん投票を参考にしていっしょに騒げる曲もやるんですけど、それだけじゃなくて、オンラインの空気感と共にメッセージをしっかり伝えられる曲も入れようとなりました。だからどちらかと言うと、激しい曲よりもメッセージを伝える曲に重きを置いています。

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