元Amazonエンジニアが開発した、猫の鳴き声翻訳機『MeowTalk』

猫の鳴き声翻訳機『MeowTalk』

 今日のAI研究では、AIと人間との共存に主眼が置かれるなかで、「人間が持つ良識をいかにコンピュータに付与するか?」が最大の課題であり、これは多くのAI研究者を悩ませる問題のひとつとなっている。そんななか、英国のケンブリッジ大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンおよびGoogle傘下のAI企業DeepMindの研究者らは、「Artificial Intelligence and the Common Sense of Animals(人工知能と動物の良識)」と題した論文において、AIを先鋭化させるうえで動物研究が重要なカギを握ると示唆している。

 人間が持つ良識は人間以外の動物にも備わっている普遍的なものである。これまで若者や乳幼児の認知プロセスに焦点を当て、認知心理学的見地から研究が進められてきたが、動物の認知に関しては未知の領域である。動物の認知を解明することで、強化学習のエージェントの評価に関する有用な手がかりが見出され得るとして研究者らは一抹の希望を託している。

 動物研究については、GAFAを含むビッグテックの間でも関心の的となっている。米国の経済週刊紙「Bloomberg Businessweek」によると、AppleやFacebook、Google、Twitterは、動物の順応行動を専門とするキャンパスバイオテックのマティス研究室のフェローシッププログラムを通じて博士研究員を採用している。

 動物研究からヒントを得て、製品の機能拡充に応用させていくビッグテック各社の動向に今後も注目だ。

■大澤法子
翻訳者、ライター。AI、eスポーツ、シビックテックを中心に動向を追っている。

〈Source〉
https://www.bloomberg.com/news/features/2019-06-18/apple-google-and-facebook-are-raiding-animal-research-labs
https://www.geekwire.com/2020/meowtalk-app-that-translates-cat-sounds-is-pet-project-for-former-alexa-engineer/

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