iPhone 13は埋没型Touch IDとミリ波完全対応? 完全ポートレス化は“難しい”か
完全ポートレス化にはEUの壁が...…
テック名メディア『tom’s guide』は26日、MagSafeが発表されたことの影響を考察する記事を公開した。その記事によれば、同充電器の登場は、今後iPhoneが進化する方向性を暗示しているというのだ。
現在iPhoneシリーズの充電で使われているLightningケーブルは、実のところ、経年劣化により接続箇所が腐食することがあるという問題が以前から指摘されており、ケーブルとして理想的なものとは必ずしも言えないものだった。こうしたなか、iPhone 12/12 Proにおけるワイヤレス充電を可能とするMagSafeの登場は、Lightningケーブルの欠点を克服する待望のデバイスと言える。さらには、Apple製品の仕様予測に関する世界的権威のMing-Chi Kuo氏が2019年12月に発表したレポートでは、2021年には完全にポートのないiPhoneが登場する、と予想しているのだ(ポートレス化に関しては既報も参照)。
iPhoneのワイヤレス充電標準化およびポートレス化は必然的な進化なのだろうか。しかし、この進化を阻む壁がある。EUは今年1月、スマホの充電規格の統一をメーカーに求めるユニバーサル充電規格を決議した。この決議にもとづいた法整備が進むと、欧州で販売されるスマホにはUSB-Cケーブルによる充電機構の実装が求められることになる。充電規格が統一されること自体はスマホユーザの利便性を高めるものも、Appleのような独自の設計哲学をもっているメーカーにとっては足かせともなってしまう。この統一規格がある限り、iPhoneの完全ポートレス化の実現は難しいだろう。
以上のようにiPhone 13の仕様予測は、少しずつ具体的となっている。そんな予測のなかでも5G完全対応は確度の高いものと思われるので、5G機能を目当てにiPhone 12シリーズを購入しようとしているユーザは、iPhone 13まで待つという選択肢を検討するのもよいかも知れない。
トップ画像出典:Apple公式サイト「iPhone 12」紹介ページより画像を抜粋
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi