フォートナイトの乱はApple優勢で来年7月に持ち越し プラットフォーマーとアプリ開発者の対立は拡大へ
プラットフォーマー vs アプリ開発者の構図が鮮明に
EpicとAppleの公判が行われたのと同日の28日、Googleニュース専門メディア『9to5Google』は、GoogleがPlayストアに登録されたアプリに対して、同社が提供する決済システムの使用を義務づけたと報じた。
以上の義務づけの背景には、NetflixやSpotifyといった業界大手のアプリがGoogle提供の決済システムを使用していなかったことがある。独自の決済システムを使用していたアプリは全体の3%未満なのだが、今後は例外なくGoogleの決済システムを使うことになる。なお、現在Googleの決済システムを実装していないアプリは、2021年9月30日までに対応しなければならない。
Googleのアプリ規制強化策発表の少し前の24日、Appleニュース専門メディア『9to5Mac』はEpicをはじめとしたアプリ開発企業がプラットフォーマーの支配に対抗する同盟「Coalition for App Fairness(アプリの公平性のための同盟)」を結成したことを報じた。この同盟は、アプリにおける決済方法の自由をはじめとしたアプリ開発者が持つべき権利を擁護する目的で創設された。創設メンバーにはEpicのほかに、SpotifyやソーシャルマッチングアプリTinderを運営するMatch Groupが名を連ねている。近い将来、同同盟はAppleやGoogleのようなプラットフォーマーに対して、組織的な抵抗運動を展開するかもしれない。
以上のように“フォートナイトの乱”におけるEpicとAppleの対立は、多数の企業を巻き込んだアプリ開発者とプラットフォーマーの対立に拡大した。そして、来年の公判で勝利するのは、自らの正当性をより世論に訴えることができた陣営となるだろう。
トップ画像出典:CNET「Apple's battle with Epic over Fortnite could reach jury trial next July」より画像を抜粋
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi