フォートナイトの乱はApple優勢で来年7月に持ち越し プラットフォーマーとアプリ開発者の対立は拡大へ

フォートナイトの乱はApple優勢で来年7月に持ち越し プラットフォーマーとアプリ開発者の対立は拡大へ

 人気バトルロイヤルゲーム『フォートナイト』に直接支払いシステムを実装したことによって、同ゲームがApp Storeから削除されたことに端を発する“『フォートナイト』の乱”の公判が28日に開かれた。公判ではApple優勢とも見れる見解が示されたが、プラットフォーマーと大手アプリ開発者の対立は拡大の一途をたどっている。

Apple税は業界の慣行

 『CNET』は28日、“フォートナイトの乱”に関する公判で話された内容を報じた。アメリカ・カリフォルニア州のYvonne Gonzalez Rogers判事は、以前の公判で言い渡したAppleがフォートナイトを削除したことを正当とする見解を変えることはなかった。そして、フォートナイトに直接支払いシステムを実装したことに関して、App Store規約に違反しているという事実は変わらないと指摘し、Epic Gamesの弁護団に対して「あなたたちは誠実ではなかった」と語った。

 Appleがアプリ開発者に対して30%のプラットフォーム手数料を課していることに関しては、Rogers判事はゲーム業界では「標準的な慣行」であると述べて容認する態度を示した。

 Rogers判事は、『フォートナイト』がApp Storeに復帰するための妥協案も提示した。具体的には、Epicが直接支払いシステムによって得た収益がエスクロー口座(支払いを仲介する口座)に保管されていれば、Appleは同ゲームをApp Storeに復帰させることができる、というものだ。

 今回の公判はApple優勢とも見れる内容であったが、次の公判は2021年7月に行われる見込みだ。次の公判に関して、Rogers判事は陪審裁判を推奨しており、実際にそれを要求するかどうかはEpicあるいはApple次第だと語った。

独占禁止法違反を証明するためには

 “フォートナイトの乱”の行方はApple優勢に傾いたように見えるが、Epicが巻き返す可能性も依然として残されている。テック系メディア『WRAL TechWire』は28日、Epicが主張するAppleの独占禁止法違反が認められるための要件を考察した記事を公開した。

 記事を執筆したテクノロジーの事情に詳しい弁護士のJim Verdonik氏によると、独占禁止法の違反が認定されるためには、市場が独占されているという事実に加えて、その事実によって消費者が不利益を被っていることを証明しなければならない。こうした消費者の不利益を証明しようとしたのが、“フォートナイトの乱”の発端となった直接支払いシステムの実装である。

 Epicが直接支払いシステムを実装したのはプラットフォーム手数料の支払いを回避するため、と理解するのはこの事件の一側面を見ているに過ぎない。同社は、直接支払いシステムを実装することでiOSプレイヤーの課金額を20%割り引いていたのだ。この割引によって、iOSプレイヤーに自分たちが過剰な支払いを行っていたことを気づかせようとしたのだ。

 Epicが来年の公判で巻き返しを図るためには、Appleが独占的に定めたプラットフォーム手数料をアプリ開発者に課していることが、iOSユーザが気づいていない不利益につながっていることを証明して世界に周知する必要があるだろう。

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