“女子高生の性事情”題材ドラマ『17.3 about a sex』が伝える、「1人ですること」の真摯な描き方

ドラマ『17.3 about a sex』4話レビュー

 「ぶっちゃけ、女子も1人でしてるの?」、センセーショナルなタイトルだが、本作で描かれる若者の性はそのタイトルの扇情的なイメージとはかけ離れ、真っ直ぐで真摯なものだ。

 現在配信中のABEMAのオリジナルドラマ『17.3 about a sex』の第4話が9月24日に公開される。本作では女子高生たちのリアルな性事情が描かれ、3人の主人公が様々な性の問題に直面し、成長していく物語が描かれる。第4話は、過去になかなか取り上げられることのなかった「女性のマスターベーション」がテーマとなった。

 性に関する知識が少なく、戸惑ってばかりの女子高生・清野咲良(永瀬莉子)は、ある事件をきっかけに母親と衝突してしまう。なかなか関係を修復できないでいる咲良に手を差し伸べるのは、生物オタクの朝日悠(水沢林太郎)だった。はたして咲良は無事に問題を乗り越えられるのか、そしてこの件を通して一歩進んだ朝日との関係はどうなるのだろうか。

 第4話は今までよりもさらに踏み込んだトピックスを扱い、咲良たち3人組の仲でさえ核心的なことが話せずに隠し事をする様子がうかがわれる。しかし作中のセリフによると、女性が初めてマスターベーションをする平均年齢は14.6歳と、咲良にとって決して早すぎる知識ではない。さらに現在は「セルフプレジャー」とも呼ばれ、どんな性の人にとっても自分を大切にするセルフケアの一環とされている。

 作品内には女性向けのセルフプレジャー用アイテムが並ぶショップが登場しているが、これは2018年に実際に大丸梅田店でPOPUPストアが開催され、その後常設店になったショップがモデルだろう。アダルトグッズというと男性向けのものが市場の多くを占める印象だが、アダルトグッズメーカー・TENGAは2013年に女性向けブランドの「iroha」を展開しており、女性を対象とした商品へのニーズが変化してきていることを物語っている。

 さらに昨今は女性(Female)の抱えるヘルスケアにまつわる問題をテクノロジー(Technology)で解決しようという「フェムテック(Femtech)」というワードも注目されている。セルフプレジャーアイテムはもちろん、生理をより快適に過ごすためのアイテムや、女性のヘルスケア、セクシャルウェルネスにまつわるアプリ開発なども続々と進んでいるのだ。国内では2020年5月に「Nagi(ナギ)」という紙ナプキンを使わずに生理期間を過ごせる吸水ショーツも発売された。これまで表に出すことをタブーとする風潮にあった“女性の問題”が日々可視化される流れになりつつある。

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