警察はAIをどう活用? 顔認証AI禁止令や誤認逮捕など、インドやアメリカの動向から考える

警察はAIをどう活用? 顔認証AI禁止令や誤認逮捕など、インドやアメリカの動向から考える

 世界各国で、警察の諸業務におけるAI・ビッグデータ活用に向けた動きが顕著だ。

 インドのグジャラート州第3の都市・ヴァドーダラー市は、逃亡者や行方不明の子供、指名手配中の者がリストアップされた既存のデータベースを搭載したCCTVカメラ約700台を市内に設置し、実証試験を展開。グジャラート州と言えば、対外的緊張関係にあるパキスタンとの国境付近に位置しており、常にテロの危険と隣り合わせにあるなど、治安の悪化が懸念されるエリアのひとつである。最終的に、インド初の顔認証システムを使った実証実験は成功に終わり、法制化の関門はクリアした状態にあると現地メディアは報じている。

 インド警察副局長のSandeep Chaudhary氏は、「今後、市内に設置する監視カメラの数を増やしていき、最終的に1,550~1,650台のCCTVカメラを設置し、混雑した場所や国境付近での監視に備えたい」とコメントした(参考:https://www.ndtv.com/india-news/gujarat-police-tests-artificial-intelligence-based-facial-recognition-system-to-track-missing-offenders-2280011

 今日の顔認証システムは、特に警備の面で期待されている。なかでもNECの顔認証エンジン「NeoFace」は世界トップレベルの顔認証システムとして、すでに海外の警察にも採用されている。

 そんな世の中に逆行する対応に乗り出したのが、米カリフォルニア州サンタクルーズ市だ。サンタクルーズ市と言えば2011年、世界の他の国や地域に先駆け、警察の諸業務にAIを導入した自治体として知られるが、2020年、ついに顔認証AIの禁止令を発令した。

 米国では黒人男性が白人の警察により射殺されるという出来事をきっかけに、反人種差別運動が高まっている。人種差別への対応をめぐり大手テック企業が槍玉にあがるなか、その余波は警察業務にも及んでいると見てよいだろう。

 今年6月、ミシガン州デトロイトにおいて、顔認識システムの判定結果から黒人男性が誤認逮捕されるという案件が発生。さらに最悪なことに、犯人検挙のために使用する顔認識システムの誤認率は96パーセントにのぼると、デトロイト州警察が明かしている。

 すでに顔認証システムによる監視体制の強化を表明したインドだが、米国と同様、多民族国家であるため、将来的に類似の問題に直面することが予想される。

 警察の諸業務に導入されている顔認証システム「PredPol」を例に挙げると、地震予測モデルと類似のAIアルゴリズムを採用している。地震予測AIは地震が発生した場所や日時、地震の規模などのデータをもとにモデル化されており、いつ、どこで地震が起こるかを予測。同様の原理は「PredPol」にも働いており、罪を犯しそうな人物の特徴やプロフィール、アイデンティティ、犯罪場所、犯罪が行われる頻度、予測され得る犯罪と関係のある人物などの情報を割り出し、犯人を特定する。

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