K-POPの『V LIVE』とジャニーズJr.の『ISLAND TV』、配信アプリの比較で見えてくるもの

K-POPの『V LIVE』とジャニーズJr.の『ISLAND TV』、配信アプリの比較で見えてくるもの

 筆者は、K-POPアイドルとジャニーズJr.の両方を応援している。

 それぞれに良さがあり、応援したくなるポイントがある。そのため、自身のiPhoneのホームには、双方の活動を追いかけられる『V LIVE』と『ISLAND TV』(そしてWeverse)が並んで鎮座しており、日々これらのアプリを行ったり来たりしている。そうすると、意図せずともV LIVEとISLAND TVの”違い”を認識するようになる。

 ISLAND TVでは主にジャニーズJr.による告知や持ち込みミニ企画、ライブの楽屋でのじゃれ合いなどが見られる。また、過去には課金をしてライブの配信を視聴できる機会もあった。とはいえ、まだ駆け出しのコンテンツが多い。ISLAND TVだけを利用しているのならそれでも十分かもしれないが、対するV LIVEは年月をかけて非常に成熟し、様々なコンテンツを提供しているため、参考になる点が沢山ある。

 そこで今回は、同じ「アイドルの成長を追いかけるコンテンツ」という観点から両者の違いを比較した時に、ISLAND TVに是非あってほしいV LIVEの機能をいくつか紹介したい。

 とはいえ、ジャニーズJr.の事業展開をK-POPアイドルと同じように行なってほしい、と主張しているわけではないことを、先に断っておきたい。ISLAND TVがジャニーズJr.の魅力を最大限伝えるアプリになるのはどんな機能が望ましい(嬉しい)か、が今回のテーマである。

 まず話の前提として、両アプリの基礎的な情報を押さえておきたい。『V LIVE』は、2015年にNAVERがリリースした、主にK-POPアイドルの色んな姿をバラエティやライブ映像、本人による生配信などを通して見ることのできる万能配信アプリだ。このアプリは、主に海外のファンに向けて作られており、英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)、タイ語、スペイン語、ベトナム語、ポルトガル語、インドネシア語、日本語での利用が可能である。5年間かけて急速に成長したV LIVEは現在、「K-POP」カテゴリだけでもなんと482チャンネル存在するが、実はその他に「ACTOR」や「DIET」、「MOVIE」、「BOOKS」、ベトナムのアイドルや芸能人のチャンネルを集めた「VIETNAM」、そして「CLASSIC」というカテゴリなど、幅広いジャンルを揃えている。現在最も沢山のフォロワーを抱えているのはBTSチャンネルで、その数は実に2100万人を超える。

 一方、2019年に滝沢秀明副社長によるSNS戦略の一環としてサービスが開始されたのが、ジャニーズJr.(一部昨年デビュー組も含む)の日々の記録を閲覧できる配信アプリ『ISLAND TV』。滝沢副社長は昨年1月、主にジャニーズJr.のプロデュースを行う子会社として、「株式会社ジャニーズアイランド」を設立し、代表取締役社長に就任。以降、Jr.専用のジャニーズショップのオープンや、Jr.専用のYouTubeチャンネルを設立するなど、積極的にJr.事業を展開してきた。

 ISLAND TVにはなく、V LIVEにはある魅力的な機能は、大きく分けて3つ存在する。

(1)本人たちによる生放送

 リスキーであることは承知で、きちんと環境を整えた上でまずやってほしいのが、アーティストによる生放送だ。V LIVEでは、K-POPアーティストが自身のスマホを用いてホテルの部屋や事務所などから生放送を行う機能があり、ペン(韓国語でファン)のコメントに対してアイドルがリアルタイムに反応してくれる。もし、「めめこじ(目黒蓮・向井康二・ともにSnow Man)がホテルで一緒にご飯を食べてお互いをイジり合ったり、質問にリアルタイムで答えてくれる生放送」が存在したら、Snow Manのファンは指がちぎれんばかりにハートを連打するだろう。それが実現されているのがV LIVEなのである。(様子を詳しく知りたい方は、「イージン(Eat JIN)」で検索すると、ワールドワイドハンサムな窓拭き清掃員によるモッパンをご覧になることができる)。過去にはV(BTS)が50分間ベッドでゴロゴロするだけの生放送が、アーカイブ含む総再生回数5億回を記録して話題になった。YouTube程の利用者がいるわけではないにも関わらず5億回再生を記録することの異様さは、誰もが理解できるだろう。

(2)V LIGHT STICK

 V LIVEの生放送がInstagramLIVEと違う点は、アーカイブがいつまでも残るところや、ハート数がカウントされ、それに準じてチャンネルやビデオごとのランキングが変動するところだ。また、ハート数が1億個を突破するとお祝いエフェクトが現れ、それを見たアーティストが喜ぶことでペンも喜ぶという仕組みもある。V LIVEの経営サイドはこの「ハートの数」に着目して、様々に商業的な展開を行い、それに成功している。その代表例が次に挙げるV LIVE内のペンライト、通称V LIGHT STICKである。

 V LIVEでは、アーティストがアップした生放送やバラエティに対して、リアルタイムでなくてもハートを送ることができるが、視聴中にV LIGHT STICKと呼ばれるペンライトを用いると、ハートを2倍送ることができる。V LIGHT STICKはアーティストによってデザインが異なり、V LIGHT STICKだけの特別なアニメーション効果も存在する。V LIGHT STICKの購入には3パターンあり、「7日利用チケット」が50コイン(VLIVEの有料コンテンツを利用するには、まずコインのチャージを行う必要がある)、「30日利用チケット」が150コイン、「100年利用チケット」が800コインと、来世まで推して貰う気満々な設定だ。新型コロナウイルスの影響で現場に行くのが難しくなった今、ペンライトを使ってアーティストに想いを届けることができるV LIGHT STICKは、ファンにとってもありがたい機能だろう。同じ「アイドルを応援する身」として、こうして理解し合えるところはたくさんあるはずなのである。

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