iPhone、Mac、AirPodsの未来はどうなる? Appleの新特許55件から予測

Apple、特許55件から見えるもの

MacのFace ID搭載

 次に注目の特許機能は、MacにおけるFace IDの応用だ。今まではiOSデバイスのみでしかアクセスできなかったFace IDを、Macに搭載されているウェブカメラを通して可能にするという技術だ。現在の最新版であるMacBook ProとMacBook AirにはTouch ID機能は搭載されているが、それはウェブやコンピューター上ではさらに多くのセキュリティリスクを背負う、決済や書類のやり取りなどを守るのには不十分かもしれないという指摘があった。今まではパスワードのみでの情報管理だったものに指紋認証が加えられ、私たちのセキュリティにおけるスタンダードになった。アップルはそれを次の段階へと引き上げようとしている。

 この機能はMac Bookシリーズのパソコンのみではなく、デスクトップのiMacなども含む、全てのMacを対応とした特許内容となっている。従来のiOSなどのデバイスとは異なる点として、本体自体をiPhoneなどのように自由に動かすことができないため、Macに特化した光パターン認識センサーを搭載することによって、どんな角度であっても細かい表情や顔の認識ができるようになる。これらの複雑な機能をMac Bookシリーズに搭載することは、画期的な試みになるだろう。

デザインプレゼンテーションの特許

 ほかにも、プレゼンテーションのデザインに関する特許も2件ほど含まれる。これはアップル直営店で展開されているApple Watch Studioのディスプレイのひとつで、Apple Watchとバンドの組み合わせをカスタマイズできるものだ。ウェブでも注文できるが、店内で直接並べられたバンドを組み合わせていく体験には変えられないものがある。今回の特許は直営店でのApple Watchのスタジオエリアに用意されたトレーのデザインだ。同時にiPhone SEのディスプレイデザインも、同じ特許を許諾された。

 これらの申請され許諾された特許を見ていくことで、アップルのこれからの新製品、新技術、そして新サービスの未来を垣間見ることができる。

■mugiho
ニュージーランドの大学でマオリ文化の発展・都市計画・教育について学びながら映画、テック、文化芸術について執筆するフリーライターと翻訳家。人間観察をしながらたまにそれらについて書いたり撮ったりしている。

〈Source〉
https://www.statista.com/statistics/1033935/number-of-apple-patents-by-filing-year-and-status-worldwide/
https://www.patentlyapple.com/patently-apple/2020/07/apple-won-55-patents-today-covering-the-original-vision-for-airpods-pro-smart-battery-case-face-id-for-macs-more.html
https://www.patentlyapple.com/patently-apple/2019/11/apple-launches-new-iphone-11-smart-battery-cases-with-a-new-case-feature-sets-their-home-page-with-a-holiday-gift-guide.html
https://www.patentlyapple.com/patently-apple/2020/03/apple-is-working-on-bringing-face-id-to-macs-for-user-authentication-face-gesture-recognition-and-more.html
https://www.apple.com/shop/product/MWVL2LL/A/iphone-11-pro-smart-battery-case-black
https://www.ipeg.com/patents-role-in-apples-success/

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