『おっさんずラブ』『東京独身男子』、そしてABEMAとの『M 愛すべき人がいて』……テレ朝“土曜ナイトドラマ”枠はなぜ社会現象を生み出す?

テレ朝“土曜ドラマ”、なぜ社会現象に?

 そのほか、市原隼人が思いつめた瞳でせまる、濃密な恋愛もの『明日の君がもっと好き』(2018年)、窪田正孝がタイトル通り、だらだらしたヒモ生活を送る姿が微笑ましい『ヒモメン』(2018年)、余命を宣告された主人公(野村周平)と彼をひたむきに愛する少女(桜井日奈子)の少女漫画原作の純愛を正攻法で描く『僕の初恋をキミに捧ぐ』(2018年)、浜辺美波主演の男女問わず楽しめる推理モノ『アリバイ崩し承ります』(2019年)など、毎回テイストを変えて、多様な視聴者層にアピールしているユニークな枠が土曜ナイトドラマといえるだろう。

 そして、現在放送中の『M』は、恋あり、成功譚あり、奇抜なキャラありの豪華盛り合わせで、第1話の世帯平均視聴率は5.6%に。『おっさんずラブ-in the sky-』の5.8%、『東京独身男子』の5.7%に次ぐ好成績だった(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。これは、『オトナ高校』『おっさんずラブ』『あなたには渡さない』がやってきた、俳優が真剣になればなるほどおもしろいエンターテインメントの、ひとつの到達点といってもいい。

 さらに『M』 はABEMAとの共同制作。ABEMAでは地上波の放送時間にコメント連動企画を行っており、若い視聴者へ新しい見方を提供することで、トレンドにも毎回入っている。また、ABEMA視聴者も楽しめるキャスティング(『オオカミ』シリーズ出演者のキャスティングなど)などのプロモーションも相まって、地上波のユーザー×(比較的若い)ABEMAユーザーによって各世代からのユーザーが獲得でき、過去にない盛り上がりを各方面で生んでいる。ABEMAとの共同制作という新たなスタイルで、ますます土曜ナイトドラマの可能性が広がりそうだ。

■木俣冬
テレビドラマ、映画、演劇などエンタメ系ライター。単著に『みんなの朝ドラ』(講談社新書)、『ケイゾク、SPEC、カイドク』(ヴィレッジブックス)、『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』(キネマ旬報社)、ノベライズ「連続テレビ小説なつぞら 上」(脚本:大森寿美男 NHK出版)、「小説嵐電」(脚本:鈴木卓爾、浅利宏 宮帯出版社)、「コンフィデンスマンJP」(脚本:古沢良太 扶桑社文庫)など、構成した本に「蜷川幸雄 身体的物語論』(徳間書店)などがある。

■番組概要
『M 愛すべき人がいて』
テレビ朝日系24局放送日程:毎週土曜よる11:15~0:05
ABEMA配信日時:毎週土曜よる0:05頃より配信開始
ABEMA URL

(C)テレビ朝日/AbemaTV,Inc.

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