“リモート恋愛”は意外なカップルが生まれやすい? 部屋チェック、駆け引きなど独自の面白さを分析

“リモート恋リア”の特徴を分析

 このコロナ禍を受け、「ABEMA(アベマ)」の「ABEMA SPECIALチャンネル」にて、怒涛のリモート恋愛リアリティーショー(略して“リモート恋リア”)番組の配信ラッシュが始まった。

 今回は、リモート合コン覗き見リアリティーショー『わたしの部屋に来ませんか?~恋は自粛してられない!~』、リモート婚活リアリティーショー『Love or Delete~今、婚活できない私たち~』 、リモート恋愛How toショー『会えない恋の育て方~遠距離恋愛のすべて~』と“リモート恋リア”3作を観て気づいた、この新たな恋愛形態の楽しみ方を紹介していきたい。

 まず“リモート恋リア”の最大の特徴として、全員で話す「トークルーム」とは別に、気になる相手を誘い出して2人きりで話せる「2ショットルーム」が用意されていたことが挙げられる。たしかに、リアルの合コンや出会いの場であれば互いの目線や料理の取り分け、会話の流れなどのコミュニケーションで、好意の所在がわかったり意思表示ができたりするが、リモートではそれが不可能だ。それぞれの目線が誰を捉えているのかわからない分、思う存分気になる相手のことだけ画面上で追える一方で、自分の好意も相手の好意も目線で捉えるのは難しい。そのため、気になる相手、もっと知りたいと思う相手のことは、積極的に2ショットルームに呼び出すことが、関係性を前進させる上で非常に重要になってくる。

 オンライン上とは言え、全員で話していたところから急に2人だけの別空間になると、やはりそこには照れや恥じらいが生まれるようで、ここが“リモート恋リア”の最大の胸キュンポイントに違いない(修学旅行の最中に気になった相手と抜け出してしまうようなあの感覚に似ているのかも)。

 リアルの出会いの場では少なくとも一次会時点での抜け駆けは難しいため、リモート恋愛の利点・醍醐味とも言えるだろう。また「2ショットタイム」の得手不得手も見られる。ここでは透かしたような態度で臨むよりも、序盤から素直に想いをストレートに伝えた方が吉と出るようだ。

 そしてひとたび2ショットルームに乱入できるというルールが始動すると、呼び出しの応酬が始まり“マウント合戦”の場と化す。2ショットルームでの出来事が必ずしも2人だけの秘密とはならないケースがあることも、覚えておきたい点だ。

 次に、第一印象の段階から自宅の様子まで覗き見ることができるのも、リモート恋愛ならではの特徴だろう。たかがPC画面の背景と言っても侮ることなかれ。そこにはなかなかの情報量が詰め込まれてしまっている。実際、MC陣に「実家感溢れてるね」と速攻で見破られていた参加者もいた。そして、特に男性陣は趣味にまつわるアイテムを仕込む傾向が。『わたしの部屋に来ませんか?~恋は自粛してられない!~』内でも男性参加者6名中2名の画面にギターが映り込んでいた。それが功を奏して2ショットタイムに見事なギター弾き語りを披露し武器に出来ている男性もいれば、その逆もまた然り。ちなみに、ベッドルームに置いてありがちな大量のぬいぐるみたちは、そっとしまっておいた方が賢明そうだ。そんなに前のめりに自分に関するティップスを背景に詰め込まずとも、画面共有などで写真や自分が今見ているPC画面を共有出来てしまえるところも、リモートならではの楽しみ方だろう。

 そして最後に、忘れてはならないのは2ショットルームでの頑張りだけでなく、全員で話している時のリアクションについてもよく注目されているということ。自分の話すターンでないとオフモードになってしまう人が、特に男性には少なからず見受けられるが、女性はその様子を見逃さない。大人数でのリモート恋愛となると進行役や積極的に発言する人が有利かと思いきや、必ずしもそうとは言えないようだ。「純粋に楽しんでいる」「皆で会話している時の雰囲気が良かった」など、自然に他の人の会話にもリアクション出来るような人に人気が集まりやすいようだった。これもリアルの飲み会などと違って、全員の表情が画面上に一気に並んで表示されるからこそのこと。聞き手のリアクションの比較が一目瞭然でできてしまえるからだろう。

 視聴者側には主に2ショットルームでのやり取りが公開されるため、全員で話している時の各メンバーの様子までは見えにくかったりもする。それもあってか、リモート恋リアでは視聴者としては意外な組み合わせのカップル誕生が少なくないかもしれない。

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