“ポストアメトーーク”なニューヨークのYouTubeが熱い!  かが屋、ラランド、ぼる塾など“第七世代”にも注目

 新型コロナウイルスの影響も相まって、もはやお笑い芸人がYouTubeチャンネルを持つのはスタンダードになった昨今。カジサック(キングコング梶原)から始まった参入の流れは、霜降り明星やかまいたちを経て、「ジュニア小藪フットのYouTube」など大物芸人にまで広がりつつある。

 その一方で、“お笑い第七世代”と呼ばれる若手芸人のYouTubeがいま、熱い。お笑いの最前線はもはやテレビではなくYouTubeにあるのではないか、と考えてしまうほどに熱気を帯びているのだ。

 例えば、5月4日に放送された『しゃべくり007』の「第七世代女芸人軍団」特集では、出演したぼる塾や丸山礼などの自己紹介の際に自身のYouTubeチャンネルが紹介されることもあった。徐々にYouTubeはネタと同等のレベルでプロフィール的な役割を果たしつつあり、芸人にとっても決して手を抜けないコンテンツになっていることも盛り上がりの引き金になっているだろう。ここでは、そうした若手芸人のHUB的役割を担っているニューヨークのYouTubeと、今後大注目の“第七世代YouTubeチャンネル”をピックアップする。

“若手芸人のアメトーーク”枠を担うニューヨーク

 自らは「第七世代である」と主張しながらも、霜降り明星・粗品からは「令和元年で20歳代じゃないと第七世代じゃない」(テレビ朝日系『爆笑問題のシンパイ賞‼︎』にて)と反論されてしまったり、微妙な狭間にいる芸歴10年目のニューヨーク。2019年の『M-1グランプリ』では決勝に進出するなどネタの強度は既に証明されているが、彼らはYouTubeにかける想いもかなり強く持っている芸人だ。

 チャンネル開設は2019年の1月と、まだ“芸人がYouTubeをやるのはサムい”という風潮もあったなかで、一足早く『ニューヨーク Official Channel』をスタートさせ、以降(ほぼ)毎日投稿に努めてきた彼ら。『オードリーのオールナイトニッポン』を長年手がけてきた放送作家・奥田泰が構成作家として入っていることもあり、チャンネル内番組「ニューヨークのニューラジオ」もじわじわと注目を集めてきた。

 ネタ動画に加え、「芸人がコンビで相席居酒屋に行ってみた」「行列に並んでいる人を漫才で笑わせられるか」といったYouTuber的な企画を芸人風に色付けた動画など多種多様なものがアップされている。そのなかでも注目すべきは、彼らの動画にゲストとしてやってくる若手芸人とのやりとりだ。若手から中堅に差し掛かりじわじわとテレビ出演も増えているニューヨークが、“よき先輩”的な立ち位置から若手芸人にスポットを当てる動画が面白い。

元学生芸人大集合!大学お笑いサークルってどんなとこ?

 大学生時代にお笑いサークルでしっかりしたネタを考え大会などで披露し、卒業後もそのまま芸人になった“元学生芸人”を取り上げた上記の動画。これはもう、『アメトーーク!』にあってもいいような“未知の世界を知れる”コンテンツになっていながら、“学生お笑い”と“元学生芸人”にどっぷりハマってしまうかもしれない入門編的な魅力に満ちあふれている。「学生芸人とは?」という入り口から、「学生芸人の大会」、「サークル内の恋愛事情」に至るまで。学生お笑いのことを何も知らない立場のニューヨークが新鮮な反応で話を聞き出していくので、2本の動画、合計50分強の内容もあっという間に見終わってしまう。

 「ニューヨークのニューラジオ」にも毎回ゲストで若手芸人が多数登場し、軽妙に話を聞き出していく様が印象的なニューヨーク。緊急事態宣言下の現在においてはZoomを使った生配信を週1回以上行っているが、そこでも飛び入り参加する芸人を日々募集していて、最近では芸歴1年目という超若手が登場することも。普通であれば大先輩の生配信に突如割り込んでいくことは勇気がいるだろうが、そこもニューヨークの飄々とした雰囲気によるところなのか、若手芸人が伸び伸びと活躍しているのも見逃せない。今後もニューヨークのYouTubeチャンネルには事務所の垣根を超えて若手芸人のHUB的役割を担いながら、同時に自身が売れていく過程を見せていってほしい。

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