『あつまれ どうぶつの森』なぜ世界的ファッションブランド参入? 拡張しつづける“マイデザイン”機能の可能性

『あつ森』にファッション業界注目

 また、似たような軸でいえば、アイドルやアニメのファンの中には、そのステージ衣装やキャラクターのコスチュームの「マイデザイン」を作り配布する動きもあり、それをSNS上で手に入れてアバターに着せることも流行している。これらも、現実世界で応援している人物/キャラクターになりきることや、ゲームの中でもその人物/キャラクターを応援しているという“愛情表現”の一つとして多くの人に親しまれた。中には応援しているタレントがプロデュースするアパレルブランドの服やロゴマークと同じ「マイデザイン」を作成し、タレントのショップを『あつ森』の中に出現させるユーザーもいた。「マイデザイン」機能の広がりは、着飾ることの楽しさを超えて、憧れや夢の投影場所にもなり得る。

 こうした広がりが加速すれば、参入してくるブランドは今後も自ずと現れるだろう。さらにファッション分野だけでなく、メトロポリタン美術館が同美術館所蔵の約40万点の作品を『あつ森』内で楽しめる「シェアボタン」を導入するなど、あつ森の世界は拡張されるばかり。今後も「マイデザイン」を使った新たな取り組みは多くのユーザーを楽しませるだろう。

 さらにNintendo Switchはソフトをダウンロードで購入・アップデートすることが可能である。バージョンをアップデートすることで新たな行商が訪れるようになり、購入できるアイテムが増えるなど、楽しめる要素が追加されている。こうした購入後の“フォロー”が今後も充実していけば、ユーザーを飽きさせることなく、息の長いヒットを続けるゲームとなるだろう。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

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