『遊戯王LotD』がアップデート&再リリース 変更点に対するファンの声は?
「世界で最も累計販売枚数の多いTCG」として知られる遊戯王カードゲーム。シリーズ最新作である『遊戯王デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション(以下、遊戯王LotD)』が対応プラットフォームを拡大し、再リリースされた。
本コラムでは同タイトルの概要や現在に至る背景を踏まえ、最新版に盛り込まれた変更点を掘り下げていく。『遊戯王LotD』は熱狂的ファンの期待に応えられるソフトとなったのだろうか。
『遊戯王LotD』とは? 期待のなかでリリースされたデジタル版TCG
『遊戯王LotD』は2019年に発売されたNintendo Switch向けダウンロードソフト。人気マンガ『遊戯王』から生まれた対戦型カードゲームを家庭用ゲーム機で楽しめるタイトルだ。2020年3月24日にはPS4、Xbox One、Steamまで対応プラットフォームを拡大。あわせてSwitch版の大型アップデート(他プラットフォームには実装済)をおこなったことでも話題となった。
同タイトルは2015年に海外でリリースされた『Yu-Gi-Oh! Legacy of the Duelist』をもとに製作されている。そのため、ベースとなるのは海外版(遊戯王のカードゲームは国内版と海外版でルールやカードプールなどが異なる。)の仕様だ。国内もターゲットにしたタイトルでありながら日本で高い人気を誇る国内版(遊戯王OCG)ではなく、馴染みの薄い海外版に準拠した同作。2019年のリリース当時からその仕様に賛否がわかれていた。
一方で『遊戯王LotD』は、家庭用として初めて新マスタールールに対応し、オンライン対戦も実装している。高いポテンシャルを持ちつつも、あまり評価に結びついていないタイトル。それが『遊戯王LotD』だ。
これまで遊戯王のカードゲームを扱ったタイトルでは、『遊戯王 デュエルリンクス』が2016年にリリースされている。しかし同タイトルは、ライフポイント・デッキ枚数が公式ルールの半分となる4,000ポイント・20枚(上限30枚)であること、各キャラクターにスキルが用意されておりデッキパワー以外にも勝敗に関わる要素があることなどから、アナログに触れてきたコアな層から全面的な支持を得られていなかった。
過去には非公式ながら暗黙の了解のように運営されていた『ADS』というPCソフトも存在したが、これも近年になって規制対象(当然ではあるが)となったため、彼らがデジタルで遊戯王カードゲームに触れられる機会は著しく減っている。だからこそ、ほぼ同仕様なうえ、公式リリースである『遊戯王LotD』にかかる期待は大きかった。