『恋ステ』新シーズン「2020春」、“全く新しい面白さ“とは? 夏・秋・冬シリーズと比較
続いて『2019・秋「約束」』からは、男子メンバーの人選に“センバツ”制度を導入。地方に関係なく全国から珠玉の男子が選ばれることで、リベンジ組を含めてひときわキャラクターの濃いメンバーが集結した。なお、この制度に関する詳細は、以前に行なった番組制作陣のインタビューを参考にしてほしい(参考:『恋ステ』は映画『君の名は。』から構想を得た AbemaTV恋リア制作責任者鼎談【前編】)。
加えて、同クールより番組構成もアレンジ。参加メンバーをこれまでの半数となる8名まで絞ったほか、オンエア時間も30分間で1話に。10代の視聴者目線で考えれば、学校のお昼休みなどで楽しむにも丁度よい時間尺となり、友人たちと一緒に画面を眺める機会も増えたことだろう。
そんな男子メンバーの“センバツ”制度は『2020・冬「勇気」』でも継続。同クールで特筆すべき変更点は、好きになったメンバーに告白する日が最終日の前日に設定され、その返事を翌日まで待つようになったことだ。
そして迎えるは、『2020春』。その最大級のトピックは新システム「恋チケット」の導入である。今回からは、メンバーが旅の出発前に「恋チケット」が入っている6枚の封筒より1枚を選択。封筒の中身は、3週間の旅が約束された6枚の「恋チケット」のほか、それよりも短い2週間分の4枚と、逆に参加期間が長くなる5週間分の10枚の3種類よりいずれかだ。なお、自分のチケットの枚数は、誰にも教えてはならない決まりになっている。また、封筒には赤いチケットも1枚だけ封入。これは、旅の好きなタイミングで、1人1回に限り意中の相手に告白ができるというもの。告白が成立した場合は2人で旅から卒業するが、失敗した場合は1人で去ることになる。
“恋は制限があった方が燃える”とはよく言ったもので、今回の新たな試みは彼らの想いを揺さぶるのに、効果抜群だったようだ。これまでの“6日間の旅”という確約がなくなったことで、「自分の好きな人が先に帰ってしまうかも……」という不安や焦りが、彼らの心を多かれ少なかれ過ぎったことだろう。本稿の冒頭に記した通り、序盤から気になる相手をツーショットに誘うなど、シーズン開始以来の積極的な言動が数多く目撃されるようになった。