『聖剣伝説3 リメイク』体験版に感じた「没入感を高める新要素」と「残念な変更点」

『聖剣伝説3 リメイク』体験版レビュー

 発売から25年が経ってもなお支持され続けている名作アクションRPG『聖剣伝説3』。2019年6月には、フルリメイク版『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』の制作が発表され、大きな話題となった。2020年4月24日のリリースを前に、3月18日より無料体験版も配信開始となっている。

 満を持して発売となる『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』は、いったいどのような作品となるのだろうか。25年の時を超えてよみがえる『聖剣伝説3』の秘密に迫る。

『聖剣伝説3』とは

 『聖剣伝説3』は1995年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたスーパーファミコン用ソフト。万物の源・マナの力を巡る争いが絶えない世界を舞台に、運命に翻弄される6人の主人公たちの物語を描いたアクションRPG作品だ。

 シリーズ3作目となる同タイトルは、斜め見下ろし型のオーバービュー視点や、ビギナーにも敷居の高くない操作性など、基本的に過去2作(『聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜』、『聖剣伝説2』)と同様の設計を持つ。その一方で、クラスチェンジシステムといった新しい要素も採用し、既存のシリーズファンを含む幅広いゲームフリークに受け入れられた。国内における累計売上本数は約80万本とも言われている。アクションRPG史に名を残す、SFC時代の名作タイトルだ。

『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』ストーリー

“かつて、世界がまだ暗黒に閉ざされていた頃、
マナの女神は、世界を滅びに導く8つの災厄の化身である「神獣」を
「マナの剣」によって打ち倒し、8つの要石の中に封印した
かくして闇は去り、世界は創造された

マナの女神は、樹に姿を変えて眠りにつき、永い年月が過ぎ去った・・・・
しかし、8つの要石から再び神獣を解き放ち、
神をも超える力を手に入れ、世界を我が物にしようと企む者達によって
争いが起き、平和は終わりを告げた・・・・

地上からは急速にマナが失われ、マナの樹も枯れ始めた・・・・”

『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』の新要素・変更点

『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』ティザートレーラー

 『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』は、25年前の作品をただ移植したタイトルではない。復刻にあたり、さまざまな新要素・変更点が盛り込まれている。

 なかでも一際目を引くのが、グラフィックとボイスにおける変更だ。オリジナル版のリリース当時も美しいグラフィックで注目を集めた同作だが、ゲームハードの変更とともにそのグラフィックはさらに美しく生まれ変わった。フル3Dで描かれるマナの世界や登場するキャラクターの表情、魔法・必殺技の迫力あるエフェクトは必見だ。

 また、『聖剣伝説3』の代名詞でもある魅力的なキャラクターたちには、豪華声優陣が息を吹き込んでいる。もともと評価の高かった同作のストーリーは、これにより、さらに没入感を高めているはずだ。

 シナリオ面には“プロローグ体験”や“新エピソード”、道中で展開されるサイドトークなど、多くの新要素が加えられている。全60曲をリアレンジして収録したというサウンド面の進化も見逃してはならない。

 もちろん、ゲームシステムにも新要素・変更点がある。オリジナル版では、レベルアップ時に入手できるポイントを各ステータスへと割り振ることでキャラ育成をしていた同作だが、リメイク版では、そこに“アビリティ”要素が加わり、さらに育成の自由度が増している。

 根幹システムであるクラスチェンジには、新たに“クラス4”が追加。より自分好みの編成で冒険へと臨める仕様となった。SFC版において取り返しのつかない要素のひとつだったクラスチェンジシステムには、新たに“クラスリセット”が実装されている。『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』は、プレイヤビリティの面でも現代にフォーマットした積極的なリメイク作品となっている。

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