『FF7 リメイク』体験版で味わえる、細部に施されたスチームパンク的世界観

『FF7R』のスチームパンク的魅力

 3月2日に体験版がリリースされた『FINAL FANTASY VII REMAKE』(発売は4月10日)を、皆さんはもうプレイ済みだろうか?

 『FF』シリーズの中でも、PlayStation1作目で初のポリゴン採用、美形でクセも強い”らしい”キャラクターたちの人気も相まって、長く語り継がれている作品だと思う。

 歯切れの悪い言い回しになっているのには理由がある。かつて友だちのほぼ全員がプレイしていた『FF7』を、私はプレイしたことがない(『FF』シリーズでプレイしたのは6だけ)。いつかやってみたいと思いつつ機を逃し、ついにリメイクの体験版で初プレイとなった。

 おそらく『FF7』をかつてプレイした方は、すでにこの体験版をプレイした方も多いと思うので、今回は私のように『FF7』を触らなかった人たちに『FF』シリーズ初心者として魅力を伝えてみたい。

 リメイク版の見所として、やはりグラフィックの美麗さが目立つ。しかしそれだけでなく、そのグラフィックを使って『FF7』の世界を描いているところにも注目したい。オリジナル版未プレイの筆者は、その世界観が進化したグラフィックでどれだけ“再現”されているかは正確にはわからないが、それでも魅了されるものがあった。

 『FF7』以降の『FF』シリーズは、サイバーパンクに魔法を加えた世界、というシンプルなイメージを持っていた。しかしリメイク版をプレイしてみると、かなり特殊な世界設定に見える。建物裏やバックヤードにはパイプが張り巡らされ、その多さはスチームパンク的世界を想起させる。一方、道に転がる小物や鉄道、つまりこの街の”表”の生活を構成するものは、今の現実社会に近くも見える。駅には広告や時刻表に路線図も掲示されていて、広告代理店といった企業もこの世界には存在していそうだ。

 この街の表と裏の対比は、オープニングムービーから一貫して描かれている。現実世界に近い街並みが背景として映るが、カメラを引いていけば不気味な魔晄炉とそこから伸びるライフラインが見えてくる。そしてその異質さを当然のものとして自然に受け入れて生活する人々。家々から漏れる光は、電気ではなく魔晄によるものなのだろうか? そもそも魔晄とは? 実際にプレイするシーンもそんな通常生活の裏側で魔晄炉に潜入するところから始まる。体験版全体を通してこの表と裏の対比が効いており、プレイヤーはこの不思議なファンタジー世界をどんどん知りたくなる。

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