新シナリオの示唆や戦闘システム……『FF7リメイク』体験版で抑えたい3つの視点
多くの『ファイナルファンタジー』ファンが心待ちにしているであろう『FINAL FANTASY Ⅶ RIMAKE』(以下『FF7 リメイク』)の体験版が、3月2日よりPS4向けに配信中だ。製品版の最序盤をプレイ可能な本体験版では、23年前に発売されたオリジナル版の風景が最先端のグラフィックと技術力で再構築されていた。
そこで本稿では、製品版の発売を迎える前に、『FF7 リメイク』体験版で抑えておきたい3つの視点をご紹介。壱番魔晄炉を爆破し終えた方だけでなく、これからミッドガルに足を踏み入れる方も参考にしてもらえると幸いだ。
新たな展開を示唆するストーリー
まず大前提として、『FF7 リメイク』は単体で完結する作品ではない。4月10日にリリース予定の製品版は、ゲーム開始からミッドガル脱出までを織り込んだ”第一章”という位置づけである。とはいえボリュームが不足しているわけではなく、シナリオはディスク2枚組で重厚に紡がれているようだ。
それゆえか、体験版で挑戦する壱番魔晄炉の爆破ミッションも密度が大幅に増している。オリジナル版だと約20分、長くても1時間以内には通過するであろう場面だが、体験版では普通にプレイして1時間。もっと丁寧に探索したりスクリーンショットを撮影しながら進めると、ゆうに数時間は経過するだろう。
加えて、リメイクにあたってボリュームアップしたストーリー面も見逃せない。序盤の主な登場人物と言えば、主人公の「クラウド」をはじめ、オープニング映像に映る「エアリス」、作中内でレジスタンス活動に精を出す「バレット」といったところだが、このうち、バレットとその周囲を取り巻くキャラクターの環境が若干異なっている。
彼らが反神羅組織・アバランチのメンバーとして前線に立つ一方、実はバレットが率いる部隊とは違う別働隊の存在が示唆される。これは体験版をプレイした時点での新事実だが、本編中にはこうした”ストーリーの深堀り”が多数存在するのかもしれない。オリジナル版を経験したユーザーのみならず、製品版を今後プレイする全てのユーザーが注目すべきポイントと言える。
23年越しの進化が伺えるグラフィック
実際にゲームを起動して真っ先に驚かされるのは、やはり見違えるほどに美しくなったグラフィックではないだろうか。例えばキャラクター周りにフォーカスすると、筆者の場合は全体的なプロポーションのほか、細部のパーツに自然と目が行った。
オリジナル版のみならず、リマスター版や他作品へのゲスト出演時も”ツンツン具合”に磨きのかかっていたクラウドの髪型は、特徴を捉えつつ柔らかな髪質に変身。ワックスで固めたようにガチガチではなく、サラサラとした毛並みが手にとって想像できるほどに調整されていた。そのほかキャラクターの性別や年齢、暮らしぶりを感じさせる程に細かい肌表面のテクスチャ-など、オリジナル版から飛躍的な進化ぶりが伺えた。
キャラクター以外、ひいては街並みの光景もより臨場感に拍車がかかっている。魔晄というエネルギー源を手中に収める神羅カンパニー。その神羅が実質的な支配権を握るミッドガルは、発展の限りを尽くす商業都市としての側面を保ちつつ、どこか怪しげな雰囲気をも醸し出していた。体験版のプレイ可能範囲で少し街を歩き回るだけでも、ミッドガル全体を包む神羅の支配力。人類の生活を支える魔晄の異質な存在感を感じ取ることができるだろう。