新型iPhone 12は環境に優しくない? 「携帯市場における持続可能性」問題の大きな分岐点となるか

電子廃棄物を削減するための2つの戦略

 電子廃棄物への対策には「生産の削減」と「生産時の再利用」の2つの戦略がある。

 「生産の削減」は、消費者がより長く使えるように電子機器の寿命を延ばすことに焦点を当てるもので、オランダのFairphoneやドイツのShiftphone等が、この戦略を採用。EU(欧州連合)は、電子機器には修理をする権利があるとし、メーカーに10年間修理を義務付ける方針を示しており、米国でも同様の動きがある(参考:https://www.bbc.com/news/business-49884827)。

 携帯電話は5年か10年は使えるが、消費者は2年ごとに新機種を購入することを好んでいる。そのような購買行動が変わらない限り、FairphonesやShiftphonesを受け入れるのは、少数派に留まるだろう。

 一方、「生産時の再利用」戦略は、現在の消費行動に固執している限り、「電子機器を回収し、リサイクルすること」ができるくらいだろう。どちらにしても、根本的な変化が必要だ。

 携帯電話の進歩は日進月歩で、消費者がより高性能な機種を欲するのは理解できるものの、いまや世界中で利用されており、全体としてはかなりの環境負荷になっている。新機種する際は、こういった環境問題についても議論がなされることが当たり前になってほしい。

(画像=Apple公式HPより)

■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。

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