横浜流星の恋する瞳も…韓国版から再構築された『わかっていても』日本版のメッセージとは?
横浜流星が主演する連続ドラマ『わかっていても the shapes of love』(ABEMA)が12月9日より配信スタートする。
『わかっていても』の原作は、LINEマンガで読むことができる同名のNAVERウェブ漫画。韓国でテレビドラマ化された後、Netflixオリジナルシリーズとして世界配信もされた。そんな話題作が舞台を韓国から鎌倉に移し、ストーリーを再構築。いわば、日本版『わかっていても』として、どのような内容になっているのか注目が集まっているところだ。
そこで今回は一足先に全話を視聴した筆者が感じた韓国版と日本版の違い、物語が問いかけてくるメッセージ、そして主演を務めた横浜流星の魅力について紐解いていく。
世界観にどっぷり浸る韓国版と、各キャラと向き合える日本版
『わかっていても』の物語は、美術を志すヒロインが美しく才能溢れる男性と出会うところから始まる。恋愛にトラウマを持つ彼女だからこそ、常に女性が群がるような男性に惹かれてはいけないと心に壁を作るのだが、どうしようもなく惹かれていってしまう。きっと特別な存在になどなれない。沼にハマるだけ……そうは“わかっていても“、彼を愛さずにはいられなくなっていく様子が描かれる。
ストーリーの大枠は同じだが、大きく異なるのはそのボリュームだ。韓国版は1話あたり1時間強で第10話まであるのに対して、日本版は約30分の第8話までとかなりスッキリとした印象。また、演出についても違いが見えて面白い。
最近、YouTubeなどの動画コンテンツでも20分強のものが充実した内容&隙間時間にも視聴できる「ちょうどいい見応え」があると感じていたところ。また、休日に一気見しやすいサイズなのも忙しい日々を過ごす人にとって「ありがたいサイズ感」だ。大作を観始めるにはちょっとエネルギーが足りない、でも面白いドラマを観たいというワガママな気分にフィットしてくれているのが嬉しい。
韓国版は周囲の仲間たちの細かな会話までじっくりと描いており、その世界に没入していく感覚がある。そのわちゃわちゃとしたやり取りが微笑ましく、精製されていないからこそ、綺麗な部分だけでは語れない恋愛模様が浮き彫りになっていく。
一方で、日本版は各話でサブタイトルと連動して、キャラクター1人ひとりにスポットライトを当てて物語が展開される。ヒロインの葛藤のみならず、楽しく過ごしているように見える仲間たちにも、それぞれの苦悩を抱えていることがストレートに見えてくるのだ。