“テクノの皇帝”リッチー・ホウティンがアプリ「CLOSER」で見せた次世代ライブDJの可能性 進化の鍵を握るのは5G?
現状、2つのコンテンツはどちらも大容量で両方ダウンロードする場合は、7.4GBにもなり、Wi-Fi環境でないと時間がかかる上、パケ死は必至だ。しかし、これらを解決するのが今年から日本でも商用サービスが始まる5Gだろう。
5Gの特長としてよく挙げられるのが「高速・大容量」、「低遅延」、「多接続」の3つだが、これらの特性は「CLOSER」と非常に相性が良い。同アプリでは今後、ライブストリーミング機能も実装される予定でこれはあくまで予想の範疇の話だが、5Gが普及すれば、先述の大容量コンテンツも高速ダウンロード可能になり、「低遅延」がストリーミング会場と配信先とのタイムラグを失くし、これまで以上に現場にいる感覚と近い環境で配信を楽しめるはずだ。また「多接続」がより多くのユーザーにスムースなリアルタイム配信を提供したり、ウエアラブルなデバイスを使いながら視聴するなど新たなライブ配信の体験方法の確立に活かされることになるだろう。
現時点でも「CLOSER」は、ユーザーがアプリを通して視聴することでリッチー・ホウティンによるライブパフォーマンスとシンクロし、没入できる仕掛けがそこかしこに存在する最先端の音楽体験アプリだ。しかし、5G普及後はその特性を活かしたよりリッチなコンテンツがユーザーに提供可能になるため、これまで以上にシンクロし、没入するためのXRコンテンツ化、例えばAR、VRで表現されるようになる可能性は、決して考えられない話ではない。DJパフォーマンスのライブ体験のあり方を時代ごとに最新テクノロジーを取り入れ、進化させてきたリッチー・ホウティンだけにすでにそのような構想はあるのかもしれない。それだけに今後も「CLOSER」は目が離せない注目音楽体験アプリになりそうだ。
■Jun Fukunaga
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター。DJと音楽制作も少々。
Twitter:@LadyCitizen69
〈参考〉
https://www.residentadvisor.net/news/71202
https://apps.apple.com/app/closer-by-richie-hawtin/id1480371897