Steamがライブラリ刷新へ Epic Games Storeに流れたゲームスタジオはどうなる?

Steamがライブラリ刷新へ

ゲームスタジオを手厚くサポートするEpic

 昨年12月に立ち上がったEpic Gamesが運営するゲームストア「Epic Games Store」は、ゲーム開発者に対する利益配分率をSteamの70%より高い88%に設定したことによって、急速に勢力を拡大している。US版『Newsweek』は先月29日、同ストアの勢力拡大を特集した記事を公開した。

 同記事によると、Epic Games Storeの勢力拡大の要因は利益配分率の差別化だけではなく、Epic Gamesがゲームスタジオを手厚くサポートすることにある。そんなサポートによって成功したゲームのひとつに、モンハンライクなアクションゲーム『Dauntless』がある。同ゲームはリリースされてから1週間で600万のプレイヤーを集めたのだが、こうした成功の裏には『Fortnite』を運営するEpic Gamesが持っているクロスプラットフォーム展開のノウハウを活用できたことがあったのだ。

 登録プレイヤーのみがプレイできるアルファ版でありながら注目されているバトロワゲーム『SpellBreak』を開発するProletariat IncのCEOであるSeth Sivak氏も「EpicはわたしたちにFortineで得られた経験にもとづいてゲーム配信と運営に関する価値あるアドバイスを提供してくれました」と語っている。

 Steamのライブラリに関する大型アップデートは、間違いなくユーザの利便性を向上させるだろう。しかしながら、ビジネス戦略を刷新するような変更ではない。現状のビジネス戦略に安住していたら、ライバルのさらなる勢力拡大を許してしまうかも知れない。

トップ画像出典:Steam「Steamライブラリベータ、9月17日登場」より画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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