Netflix『13の理由』自殺シーン削除の理由 制作サイドのコメントも
自殺率上昇のデータも
今回の出来事について、CNNがある調査結果を伝えている。ネーションワイド・チルドレンズ病院によると、『13の理由』が配信された2017年3月に、アメリカの10~17歳男子の自殺率が上昇しており、作品との相関は定かではないが、データの上ではブライアン・ヨーキー氏の意図とは全く反対の結果を招いてしまったようにも見える。
米国疾病管理予防センター(CDC)によると、自殺は、アメリカの10~24歳の若者の死因で3番目に多く、毎年4600人にのぼるといい、見過ごすわけにはいかない。
Variety.comは、NetflixのCEOであるリード・ヘイスティングス氏が「物議を醸していますが、誰も見る義務はないものです」と語ったコメントを紹介している(参考:https://edition.cnn.com/2019/07/16/entertainment/13-reasons-why-edited-suicide-scene-netflix/index.html)。もちろん、事業の責任者として、業績や株価への影響に最大限注意を払ったコメントなのだろう。ただ、実際には今後のシリーズ3への影響にも配慮し、映像をカットすることになった。
Netflixの動きには、アメリカ自殺学会、アメリカ学校カウンセラー協会、メンタル・ヘルス・アメリカ、スタンフォード大学の研究者らが支持を表明している。今後制作される『13の理由』シーズン3の内容や、作品に対する反響がどのように変化するのだろうか。
■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。