視聴者がドラマの展開を決められる? Netflixが挑戦する、インタラクティブ方式の映像制作
Netflixが、人気シリーズ『Black Mirror』のシリーズ5で、視聴者が自分の好きなようにストーリーを選択できる、”インタラクティブ方式”を導入することを決定したと米ブルームバーグ紙が報じた。(参考:Bloomberg紙|Netflix Is Planning a Choose-Your-Own-Adventure ‘Black Mirror’)
『Black Mirror』は、米国で最も栄えあるテレビドラマの賞である”エミー賞”を始め多くの賞を受けた、オムニバス形式のテレビドラマシリーズ。テクノロジーが発達した近未来を舞台に、急速に進化する技術が新たな弊害を生み出すという風刺的な内容のSF作品で、「自らの記憶を全て録画し、SNSで友達とシェアしたりTVに映したりすることができる」「死者の生前の情報をクラウドにアップデートし、死者を模したAIと会話ができる」など、現存の技術の延長線上に想像できうる題材が取り扱われている。ちなみに、タイトルの“Black Mirror”は、テレビのモニターやパソコン、スマホなどのディスプレイの冷たい光沢を意味している。
Netflixは、かねてからインタラクティブ映像作品の開発を進めており、その第一弾として、 2017年に子供向けアニメ『長靴をはいたネコ:おとぎ話から脱出せよ!』『バディ・サンダーストラック:やるかも候補!』をリリースした。
『長靴をはいたネコ』では、「主人公のネコが戦う相手を“神”か“木”か選ぶ」など、選択肢を選ぶ場面が13か所あり、最終的には2種類のエンディングに帰結するようになっている。さらに、作品の視聴時間は、選択肢によって18~39分の間で変化する。
視聴者に話の展開を決定させるインタラクティブ形式は、ゲームや本ではすでに馴染み深いものとなっているが、実写映像作品では主に2つの理由からなかなか実現が難しかった。