タピオカミルクティー、中国で驚きの進化 無人スタンドでダンシングロボットから提供される!?

 日本では、タピオカミルクティーの再ブーム到来で、SNSやメディアなどで話題になることも多く、タピオカドリンクを専門に扱うドリンクスタンドやカフェが増えている。インスタ女子や甘党男子をはじめ、幅広い層に大人気のタピオカドリンクだが、今後ブームを超えて、スイーツ系ドリンクとして日本で定着するかどうかという点も注目されている。

 一般に、タピオカミルクティー発祥の地と言われる台湾発のタピオカドリンクは、中国大陸でも早くから大人気で、都市部を中心に現在では、すっかり“若者の定番ドリンク”として定着している。ちなみにタピオカは、キャッサバというイモの根から取り出したでんぷんのことで、モチモチして弾力のある食感が特徴だ。

 通常トッピングのタピオカミルクティーは1杯10元〜15元(約165円〜248円)と低価格。飲み歩きできる手軽さがあるほか、タピオカ以外にもプリン、ナッツ、ナタデココやアイスクリームなどさまざまなトッピングが選べることも若者の多様な嗜好にぴったりはまり、スイーツ感覚で楽しめるドリンクとしてもスイーツ好きの心をわしづかみにしている。

 今回、紹介する無人ドリンクスタンドがオープンした上海市も、タピオカドリンクのブランドが集中する激戦区。主力とするターゲット層の若者の嗜好にあわせ、各ブランドがそれぞれメニューやサービスなどに工夫をほどこしている。

ドリンクを待つ人が多い有人カウンター前

 そんな上海市内の、地下鉄駅に直結しているショッピングモール「日月光中心広場」にオープンしたのが、上海初となる無人ミルクティースタンドだ。このショッピングモールには、若者に人気の高いファッションブランドやカフェ・レストランがあるうえ、周辺にも路地裏ショップが話題の「田子坊」という観光スポットがあるので、地元以外に、国内外から観光客が集まってくる。週末はもちろんのこと、平日でも賑わいを見せる混雑エリアの一つだ。

 ここに、ドリンクスタンド「快楽檸檬(happy lemon/ハッピーレモン)」とアリババグループの口碑(コウベイ)がタイアップした、無人ドリンクスタンドの“ロボットがつくる”タピオカミルクティー店がオープンした。

 ちなみに口碑(コウベイ)とは、2004年に中国雅虎(ヤフー)の口コミサービスとして発足し、2009年に口碑網(コウベイワン)として独立。ショップやレストランのレビューが閲覧・投稿できるサービスで、アリババのアリペイアプリの標準機能として搭載されている。

QRコードとアプリ注文を推薦するPOP

 快楽檸檬は、2006年に中国大陸1号店をオープンしたテイクアウト専門の台湾茶ドリンクスタンドで、ロゴはレモンのかぶり物をしているかわいい女の子。40種類以上あるドリンクメニューの中でも不動の人気を誇る看板ドリンクがタピオカミルクティーだ。

 この無人ドリンクスタンドの利用方法はアプリ注文&決済だ。口碑或いはアリペイ(支付宝)のアプリで、店頭にあるQRコードをスキャン。アプリで注文したドリンクデータがロボットに送信されると、ロボットが軽快にドリンクをつくり始める。約1分30秒で1杯のドリンクが完成する。ドリンクが完成すると、アプリにメッセージが届くので、指定されたピックアップボックスでドリンクを受け取るしくみだ。現在、ミルクティーをつくるロボットが1台導入されている。

“ロボットがつくるミルクティー”の注文の仕方

 興味深いのは、このアプリ注文でロボットがつくるブースと、従来のスタッフがつくる有人カウンターが隣接していることだ。そして、なぜか有人カウンターは行列をつくるほど人気があるのに、このロボットのアプリ注文はほとんどない。

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