MY FIRST STORY・Kid’z、『カジサックの部屋』出演 コラボ企画の狙いを考察

 YouTuberのカジサックことキングコング・梶原雄太の公式チャンネル『カジサックの部屋』。1月17日にアップされた動画ではMY FIRST STORYのドラマー・Kid’zが登場し、異色のコラボとして話題を呼んだ。これまで先輩YouTuberやお笑い芸人とコラボをしてきたカジサックだが、ミュージシャンとの共演はこれが初。コメント欄には「マイファスとコラボなんてすごい!」という声が多数寄せられていた。

【異色コラボ】MY FIRST STORYさんとマシュマロギリギリス!!

 これはMY FIRST STORYサイドからのオファーによって実現した企画だった。2人が行ったのは、口の中に入れられるマシュマロの個数を競う対決で、“Kid’zのボーカリストとしての表現力を鍛えるため“という名目で実施されたもの。1月11日に行われたMY FIRST STORYの横浜アリーナワンマンのアンコールでは、この動画が放映されたあと、Kid’zが彼の十八番であるB’z「ultra soul」を歌唱したという。「YouTubeとテレビの壁をぶち破りたい」と語るカジサックは、奇しくもこのコラボを通じて、メディアコンテンツ(=YouTube)とリアルタイム空間(=ライブ会場)の壁をぶち破ったのだ。

 MY FIRST STORYのワンマンライブを観たことのある人ならばご存知かと思うが、彼らのライブは、本編こそ緊迫感に満ちたトーンであるものの、アンコールではユーモアを交えた演出を行う場合もある。例えば2015年1月の新木場STUDIO COAST公演では、お年玉ならぬ“落とし玉”として天井から1000個のボールが降り注ぐというサプライズがあったし、2017年12月の幕張メッセ国際展示場公演では、バラエティ番組風のVTRを用いてプロデューサーの公開プロポーズが行われた。その流れを踏まえると、今回の企画だけが異色だったわけではないことが分かるだろう。また、ここ最近はライブのMCもくだけた調子である。そのなかで、Kid’zがいわゆるいじられ役になりつつあったことを理解していた人も多いはずだ。

 しかし、逆に言うと、そういうお茶目なところもあるバンドだということを知っているのはコアなファンのみである。MY FIRST STORYのメンバーはSNSをやっておらず、現状、オンライン上で彼らの様子を確認できるのはファンクラブ内のコンテンツのみ。また、雑誌などのインタビュー記事に関してもボーカルのHiroが単独で回答しているケースがほとんどだ。

 さらにMY FIRST STORYの鳴らす音楽は迫力あるラウドロックであり、アーティスト写真やアートワークをはじめとしたビジュアル面においてもスタイリッシュな雰囲気を印象付けている。そう考えると、ファン以外の人の目には“謎に包まれたクールなバンド”というふうに映っていたかもしれない。

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