飯窪春菜、VTuberアイドル「Ni-na」プロデュースへ ハロプロメンバーに与える影響とは?
Ni-naの動画を見てみると、さすが飯窪プロデュースなだけに実にしゃべりがうまい。自己紹介で好きなものについて、漫画やアニメ、カワイイもの、UFOや火星というオカルト・ミステリーを挙げている。また、オカルト情報誌『月刊ムー』とコラボすることが夢であると語り、飯窪のオタク気質全開なのもVTuberに合っていると感じた。
また、世界一のバーチャルアイドルになるための目標として、その1「番組レギュラー1本獲得!」(しかも地上波である)、その2「目指せ! ニーナ楽曲217000回再生!」、その3「みんなからアイデアをもらう!」、その4「武道館に再び戻ってくる」として、1人10人のノルマで口コミをしてほしいと促す。この自己紹介からも分かるように、「面倒臭がりで、できれば他人の力でどうにかなりたい」と飯窪は説明しており、なかなか攻めたキャラだったりする。ただ、社交的で顔の広い飯窪プロデュースなら、これが冗談でなく実現しそうなのが他のVTuberにはない元モー娘。というブランドの強み。
ハロプロ系は卒業生も含め、YouTuberに関して後進的というイメージがある。理由は色々と考えられるが、単純に映像の編集、出し尽くされたネタの中で面白いアイデアを出す自己プロデュースに挫折する人が多い世界だからだろう。しかし、VTuberプロデュースという形なら、アイドルのイメージを壊さずにでき、逆に今まで制約されていたことが自由にできたりする。要は自分の化身を操れるというのは、本人が楽しく飽きずに続けられる重要なこと。また、これから1アイドルとして芸能界で戦っていく中で、バーチャルアイドルをプロデュースするアイドルは珍しいので、その世界のパイオニアとして飯窪の一つの武器となり、それだけでもやってみる価値は十分にある。漫画オタクのアイドルが理想とするアイドル像というのは、一体どんなものなのだろうか。
飯窪の成功次第で、モー娘。が今後VRの世界で活躍する可能性もあるし、プロモーションをVRで仕掛けることができればかなり大きい。卒業したとは言え、少なくとも、VTuber以前に、ハロプロにおけるYouTuberの扉が確実に開いたことは非常に重要なことだ。そしてアイドルの中でもハロプロは、特に少女たちが憧れるグループ。そちらへの影響もきっと大きくなることだろう。
(文=本 手)