「バの音楽事情」第9回 キズナアイや輝夜月など、VTuberがオリジナル楽曲を広める意義は?

音楽と個人バーチャルYouTuber

 ここまでバーチャルYouTuberの歌ってみたや上位陣のオリジナル楽曲について多く触れたが、それ以外のオリジナル楽曲もほんの少しずつ盛り上がりを見せつつある。それこそが本連載で今まで紹介してきた個人バーチャルYouTuber達の楽曲である。

【オリジナル曲】jelly girl / 海月ねう
【オリジナル曲01】エンドオブサマー / イ卜トイ

 悲しい話だが、個人バーチャルYouTuberのオリジナル楽曲に対する注目度はまだまだ高くない。そんな現状でも楽曲が増え続けているのは、「バーチャルYouTuberとして大成すること」以前に、「自分の制作物の発信手段」としてバーチャルYouTuberになることを選んだ個人バーチャルYouTuberの存在が大きい。

 楽曲の中には作曲まで全て自身で行っているものもあれば、歌唱のみを担当しているものもあるが、どちらにせよ元々クリエイター気質である彼らの作品はどれもオリジナリティに富んだ素晴らしいものばかりだ。そしてそれは「バーチャルYouTuber」という枠が無ければ観測されなかったかもしれない。だからこそ、筆者は彼らの楽曲をより一層多くの人に知ってもらいたいという気持ちがある。筆者自身も一人の作曲家として活動しているが、音楽を多くの人に聴いてもらうのは非常に難しい。

 バーチャルYouTuberというコンテンツがそれを打破する手段の一つになると同時に、彼らがいつかバーチャルYouTuberの音楽シーンを担う存在になることを祈っている。いや、実質的にはもう担っているのかもしれないが、それが多くの人に認知されることを願うばかりである。

 バーチャルYouTuberの音楽事情に対する筆者の所感を2回にわたって書かせて頂いた。次回からは楽曲紹介に戻ろうと思う。

■じーえふ
1995年生まれ。大学中退フリーター。バーチャルYouTuberに真剣。

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