『ポケモンGO』は“優秀なヘルスケアアプリ”と“面白いゲーム”を両立できるか? 新機能「いつでも冒険モード」から考える
そこにNianticの出した「2018年に入ってから53%も長い距離を歩いている」というデータを加えると、ユーザー数自体は急増とまではいえないアプリになったものの、残っているユーザーが積極的に長い距離を歩くようになったこと、もしくはアクティブなユーザーが増えたことが仮説として挙げられる。実際のユーザー数の増減は不明なため、ゲームのアップデート履歴からその変遷をみていくと、2月のEXレイド仕様変更で多くのユーザーが参加可能になったこと、2018年前半でレックウザ・カイオウガ・ラティアス・ラティオスが、後半でレジアイス・レジスチル・レジロックといった伝説レイドが実装されたこと、2017年から追加されていたホウエンのポケモンが出揃ったこと、リサーチの実装でミュウをゲットできるようになったこと、謎のポケモン、メルタンが登場し話題になったこと、シンオウ地方ポケモンが実装となったことなど、様々な要素が歩行距離やアクティブユーザーの増加に繋がっていたのかもしれない。
ここ日本ではどちらかといえば10代未満〜10代前半と40代より上のユーザーが多いという印象がある『ポケモンGO』。筆者もプレイしていて感じたことではあるが、リリース初期はなかなかポケモンが追加されず、イベントもそこまで定期的に行われていなかったため、スマートフォンゲームの早いスピード感に慣れている若いユーザー・アーリーアダプターが離脱してしまったのかもしれない。
しかし、ここ最近はサービス側からユーザーをアクティブにさせ続けるイベントやアップデートが定期的に行われるなど、運営の工夫も随所にみられる。あとは離脱したユーザーを戻すことができれば、より爆発的な人気を誇るアプリへと進化することができるだろう。そういった意味でも、『ポケモンGO』をある種の“放置ゲー”へと変える「いつでも冒険モード」の実装は、かつてのトレーナーたちが気軽に戻ってくるための一助になりそうだ。
(文=中村拓海/画像=ジョン・ハンケ氏ブログ『Never Miss a Step - Introducing Adventure Sync』より引用)