Appleがオリジナル動画の無料配信を計画中? “動画のSpotify”の誕生か

成長する有料動画配信サービス市場

 近年台頭してきた有料動画サービス市場は、今後も成長することが予想されている。アメリカの調査会社Transparency Market Researchが発表したレポートによると、2017年における世界の有料動画サービス市場の規模は約400億ドル(約4兆5,000億円)なのだが、年平均成長率が9.3%で成長を続けると予想されており、2024年には約740億ドル(約8兆3,000億円)となる。地域別の市場規模は北米がもっとも大きく、ヨーロッパ、アジア、南米、中東およびアフリカと続く。今後大きな成長が見込まれる地域は、人口の多い中国とインドを含むアジアとされている。

 同市場の日本の動向に関しては、2017年12月、調査会社ICT総研がレポートを発表している。2017年末における有料動画配信サービスの利用者数は1,440万人であり、2020年末には2,010万人に増加すると予想されている(下の画像参照)。また、PCユーザの67%が無料あるいは有料の動画サービスを利用しているが、2016年の74%から低下している。対して、スマホユーザの61%が何らかの動画サービスを利用しており、2016年の54%から上昇している。この調査結果から、動画サービスの利用デバイスはPCからスマホに移行しつつある、と言える。

 以上のように成長が見込まれている有料動画配信サービス市場に、Appleが自社制作の無料動画コンテンツを伴って参入した場合、市場の大改編が起こるかも知れない。

トップ画像出典:Apple TV 4K公式サイトより画像を抜粋

吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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