『傷物語』『アイカツ!』でも活躍の音楽作家が楽曲提供 アイドルVtuber事務所「KAGAYAKI STARS」とは?
KAGAYAKISTARSとは、株式会社mikaiが運営する、「歌って踊れるバーチャルタレントを発掘・育成していく」バーチャルタレント事務所である。略称は「カガスタ」。今回は彼らの活動についてご紹介していきたいと思う。
彼らの活動は2018年5月に遡る。5月20日を締め切りとして第一回のオーディションが行われ、合格者の女性7人が「綺羅星ウタ」「射貫まとい」「琴みゆり」「鞍馬つむぎ「早乙女ぽえむ」「宇佐美ユノ」「雷輝アンタレス」として7月にデビュー。同時に「美影ルクス」「星屑れん」「折緒コウヤ」の三人が男性Vtuberグループ「SuiSay」としてデビューした。
またその間に、mikaiはエイベックス・エンタテインメント株式会社が運営するクリエーター/アーティストのための配信代行プラットフォーム「BIG UP!」と合同で所属バーチャルYouTuber向けにオリジナル楽曲の提供を行うサウンドクリエイターオーディションを開催するなど、音楽特化のバーチャルYouTuberという方向性に向けて強いこだわりを示していた。
8月中旬までは所属メンバーによる動画投稿や生放送などバーチャルYouTuberらしい活動を行っていた彼らだが、8月末にオリジナル楽曲「本日は晴天なり」を発表。カガスタの「綺羅星ウタ」及びSuiSayの「星屑れん」がそれぞれ個別に歌唱する2つのバージョンで投稿された。そして「本日は晴天なり」の作編曲はTOKOTOKO(西沢さんP)が担当している。
西沢さんPといえばボカロPとして人気を博したアーティストで、キャッチーかつ独特な世界観の楽曲が特徴。筆者も中学~高校にかけて西沢さんPの楽曲にドハマりしていて、特に「迷子ライフ」、「投資家レコーズ」などの楽曲は鼓膜が擦り切れるほど聴いている。毎晩の浮気にドキドキしたものである。西沢さんPがカガスタに提供した「本日は晴天なり」もジャキッとしたギターリフに始まり、イントロでは楽し気なブラスの音が入り、その独特さは失われないままにアイドルらしいポップな楽曲に仕上がっている。発表と同時にMVコンテストも開始しており、グランプリに輝いたMVはそのまま公式MVとして採用されるようだ。締め切りは9月20日まで。
そして9月にはカガスタの公式楽曲として「KAGAYAKI STARS!!」を発表。作編曲はアニメ『傷物語』や『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』などで知られる難波研氏、作詞は『アイカツ!』などで知られる辻純更氏が担当している。
カガスタの初期メンバー7人によって歌われている「KAGAYAKI STARS!!」だが、雰囲気はまさに「アイドルソング」といった感じで、アイドルグループのリード楽曲としては申し分ない盛り上がりを見せる曲展開である。しかしながらカガスタは全員がLive2Dでの活動であり、MVでキャラクターたちの動きはほぼ無い。『Tokyo 7th Sisters』の楽曲MVと同じように、それぞれの立ち絵を音楽に合わせて動かしている。いつかは3D化するのか、もしくはアニメ作画によるクリップになるのかは現状定かでないが、製作陣の豪華さを見るにこのまま終わらせるつもりはないだろう。場合によってはそれこそ『Tokyo 7th Sisters』のように、バーチャルYouTuber初のソーシャルゲーム化も期待できる展開である。現在公開されているクリップはショートバージョンで、9月末にフルバージョンが投稿される模様だ。