首にかけるだけで“高音質”~水に浮くものまで ユニークな最新スピーカー4選
毎月、気になる楽器や機材などを紹介する本コラム。今月は、ちょっとユニークなスピーカーをピックアップしてみた。
『Baby Leslie BT-122』
皆さんはレスリー・スピーカーというものをご存知だろうか。正式名称は「ロータリー・スピーカー」。高音部用のホーンと低音部用のローターを、モーターで別々に回転させてトレモロ、ビブラートなどの音色効果を作り出す、いわゆる「ドップラー効果」を利用したスピーカーのこと。ハモンドオルガン(特に名機HAMMOND B-3)とセットで使われることが多く、例えばプロコル・ハルムの「青い影 ("A Whiter Shade of Pale") 」や、ジミー・スミスの「The Cat」などで聴けるオルガンサウンド、といえばピンとくる方も多いはず。ビートルズも愛用しており、ジョン・レノンは自分の声に通したり(「Tomorrow Never Knows」の後半)、ジョージ・ハリスンはギターに通したり(「Octopus Garden」)して独特のサウンドを作り上げていた。
レスリー・スピーカーは形状もユニークで、巨大な木製の箱はまるでアンティーク家具のよう。なんと、このフォルムを継承した、小型のBluetoothスピーカーが登場した。『Baby Leslie BT-122』は、Leslie Speaker122のフォルムを忠実に再現。「Leslie」のロゴバッジやロットナンバーの銘板も付いた本格的なデザインだ。
使い方は簡単。iPhoneなどのスマートフォンや、ミュージックプレイヤーとペアリングするだけ。パッシブラジエーターが内蔵されているので、小型ながら豊かで美しい低音を実現。LEDライトの点灯によって、ローターが回転しているかのような雰囲気を楽しめる。
部屋を暗くして、オルガン・ジャズやオルガン・ロックをこの『Baby Leslie BT-122』で鳴らしたら雰囲気抜群だろう。
House of Marley『NO BOUNDS』『NO BOUNDS SPORT』
超軽量で高耐水性、なんと水に浮くHouse of MarleyのBluetoothスピーカー、『NO BOUNDS』『NO BOUNDS SPORT』も気になる。
本体の素材は、コルクやMarleyオリジナルの「REWINDファブリック」がベース。コルクは軽量で耐久性、抗菌性に優れており、水分を通さず摩耗や振動を防ぎ水にも浮く特性がある。約9年周期で再生し、採取できるコルク樹脂を使えば木を伐採する必要もなく、地球にも優しい。IP67相当の防塵防水、つまり「完全防塵」で、かつ「30分間の水没に耐えられる防水性能」のため、例えばキャンプ場や、野外フェス会場へ持って行き、多少の雨に打たれたり、川や水たまりに落としたりしても、特に問題なく使えるのだ(連続再生時間は最大約10時間)。
ちなみに『NO BOUNDS』は、2つのスピーカーをペアリングしてのステレオ再生や、内臓マイクによる通話、Siriとの会話なども可能。付属のカラビナをバックなどに取り付ければ、手軽に持ち運びができる。一方、円形状の『NO BOUNDS SPORT』は360度サウンドを実現。回転式のボリュームコントロールで音量の調整ができる。
多少、乱暴に扱ってもへこたれない丈夫なスピーカー。アウトドアの大きな味方になってくれそうだ。