YouTube音楽コンテンツ担当者が明かす、プラットフォームとしての役割とチャート提供の意義

YouTubeのプラットフォームとしての役割とは?

YouTubeをアーティスト活動の拠点に

ーー昨年は『FUJI ROCK FESTIVAL』出演アーティストのインタビューや、VR180映像を配信していました。

佐々木: 海外では今年も『Coachella』の配信をしました。ぜひ日本でもチャレンジしたいなと思っています。YouTubeでのライブ配信自体は以前から提供していて、個々のアーティストのライブや、YouTubeスペースからの配信を行ってきました。ライブ配信は、YouTubeの音楽体験の中でも重要な要素の一つだと思っています。YouTubeはレコーディングされた映像や音楽はもちろん、まさに今やっているライブも配信できるし、さらにはそれをアーカイブして観てもらうこともできる。特にライブパフォーマンスの配信については、支援していきたいですし、どんどんチャレンジしていただきたいです。

ーー公式チャンネルの「コミュニティ」機能についても教えてください。

佐々木:アーティストからすると、YouTubeは“ミュージックビデオを発表する場”というイメージがまだ強い。一方でTwitterやInstagramでは、日々様々な写真や情報が発信されています。YouTubeのユーザーはミュージックビデオを見たい人だけでなく、アーティストのことをもっと知りたい、新しいアーティストを発見したい人もたくさんいる。「コミュニティ」は動画以外の写真やテキスト情報も投稿できる、SNSのようなもので、動画よりもラフな投稿が、YouTubeでもできるんです。チャンネル登録したアーティストのお知らせをオンにしておくと、動画だけでなく写真もホーム画面にフィードで流れてくるんですよ。

ーーアーティスト側にとって、チャンネルの活用も重要なんですね。

佐々木:ミュージックビデオはVevo、ライブ映像はレーベルの公式チャンネル、場合によっては事務所のチャンネルなど、1アーティストが複数チャンネルを持っている場合も多い。、公式アーティストチャンネル化されると、チャンネル名のの横に“音符マーク”がついて、登録者数も合算された一つのチャンネルとして表示されるんです。また、公式アーティストチャンネルに紐づいたチャンネルに1つでも登録していれば、どのチャンネルに動画が投稿されても通知がいく。“1アーティスト1アイデンティティ”というイメージです。チャンネル登録者って、実はとても大事で。チャンネル登録者が100万人いれば、一本の動画をあげたら100万人に通知することもでき得る。登録者1万人のチャンネルとは、広がり方が全然違う。登録者数を増やすには、情報を戦略的に、定期的に出していくことが重要なので、「コミュニティ」などを活用してもらえればと思います。

ーー「コミュニティ」以外に、アーティスト側に活用してほしい機能は?

佐々木:権利者向けのツール「YouTubeアナリティクス」を使うと、動画をアップするとどの国でどの年齢層の人がどれくらい見ているかや、アメリカなどの一部地域では州ごとの細かいデータも分かるので、それに基づいてマーケティングプランを組むこともできます。インディペンデントなアーティストにとってもYouTubeは非常に活用しがいのあるプラットフォームです。チャンネル単位でどう自分の音楽を発信していくかを意識して、活用していただければと思います。

ーーYouTubeとしての今後の課題について、どのように考えられていますか。

佐々木:今、YouTubeを月間18億ユーザーが利用し、毎分400時間の動画がアップされています。その情報をどううまく整理してユーザーや権利者に伝えて、有用に使っていただけるか。YouTubeチャートはその解決策の一つです。「この動画の音楽」という楽曲クレジットの表示も、楽曲を含むファン動画からもちゃんともともとの音楽を深堀りしてもらえるようにという目的もあっての取り組みです。今後もすでにYouTube上にあるデータを含めてきちんと整理して、ユーザーがより深い音楽体験ができる環境を提供していきたいです。そして、アーティストの活動やメッセージをユーザーにしっかりと伝えられるようにしたいですね。

(取材・文=編集部)



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