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レス・ポールの発明からエド・シーランに至るまで…ルーパーが生み出した、新たな音楽の可能性

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ルーパーの女神、KTタンストールがもたらしたもの

 長らく、デジタルディレイの一部として認知されてきたループ機能だが、先述のBOSS「RC-20」の登場により状況は変わった。日本では山崎まさよしが早くから、サンプラーを使った弾き語りでライブを行ったりしていたものの、いわゆるルーパーを駆使した弾き語りスタイルで世界的にセンセーショナルを起こしたのが、スコットランド出身のシンガーソングライター・KTタンストールである。

KT Tunstall – Black Horse & The Cherry Tree (Later Archive 2004) 彼女が愛用するルーパーはAKAI「E2 Head Rush」

 彼女をルーパーのパイオニアと言い切ってしまうには無理があるかもしれないが、セールス的にも大成功を収め、メディア露出も多かった彼女が、アコースティックギターを手にペダル型のルーパーを駆使して音を重ねていく様は多くの人の目に新鮮に映った。なにより、どこか難しそうで取っ付きにくい印象のあったルーパーに親しみを覚えさせてくれるような彼女のキャッチーな使い方は、特にデジタル機器に明るいとは言い難いアコースティックなシンガーソングライター層に大きな影響を与えたはずだ。

ルーパー世代のアーティストが担う音楽シーン

 現在、ルーパーは自己表現のひとつとして幅広いアーティストが使用している。ここ数十年の中で音楽ジャンルは細分化し、制作過程が変化していく反面で、演奏形態そのものに大きな変化はなかった。しかし、ルーパーの登場は演奏表現自体に変化をもたらし、その自由度は飛躍的に広がったといっても過言ではないだろう。

元レーサーが紡ぐ強い意志 ReN

ReN – What I’m Feeling[Live]

 ReNは、エド・シーランに魅せられ音楽活動をはじめたシンガーソングライターだ。そっとすべてを包み込んでくれるような優しい歌声と、ストレートな強い意志。自ら「ライブアーティスト」だと豪語するその実力は、ONE OK ROCKとも共演するなど、他ミュージシャンからの信望も厚い。

南の島のルーパー歌姫 Anly

Anly「Venus」超絶ルーパー演奏@渋谷CLUB QUATTRO

 一度聴いたら忘れられない歌声が心地よい、沖縄県伊江島出身のシンガーソングライター・Anlyもルーパーを駆使するスタイルに定評のあるアーティストだ。何層も何層もゆったり丁寧に音と声が重ねられていく様はこの上なく美しい。

 打ち込みやシーケンスを使用したデジタルミュージックがメインストリームにある現在、生演奏重視のアーティストにとって“使い方次第”といった、楽器演奏の延長線上にあるといえるルーパーの存在は大きい。ルーパーの未知なる可能性は、明日の音楽シーンを担うアーティストたちともにあるのかもしれない。

■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログtwitter

      

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