英BBC、効果音ライブラリー無料公開 日本のデジタルアーカイブの現状は?

 2018年4月17日、BBC(英国放送協会)が1万6016点にも及ぶ効果音のライブラリー「BBC Sound Effects」のベータ版を公開した。デジタルアーカイブは、人類が生み出してきた歴史や文化といった遺産を、現代から次世代へと伝えていくという重大な使命を果たしている。本稿ではBBCの例をはじめとして、日本のデジタルアーカイブの現状も考察したい。

「BBC Sound Effects」

 BBC Sound Effectsには、BBC Archiveが所蔵する効果音、スタジオやステージなどで録音されたものが収録されている。公開されているデータ(WAV)は無料でダウンロード可能だ。RemArcライセンスに基づき、個人や教育、研究といった非商用目的であれば、再利用できる。

 音声のデジタルアーカイブといえば、2014年にアメリカ航空宇宙局、NASAがSoundCloudに公式アカウントを開設して話題になった。宇宙やアポロ11号、スペースシャトルなどの音を公開していて、データ(MP3)は著作権フリーとなっている。

 デジタルアーカイブは音声だけではない。2017年、NASAは14万点以上の画像、ムービー、音声ファイルをダウンロードできるサイト「NASA Image and Video Library」を公開した。BBCも、2014年に、デジタルコンテンツによって、番組に関連した疑問に答えるサービス「iWonder」を提供している。もちろん、BBCやNASA以外にも多くの団体がデジタルアーカイブに参入してきた。

 日本に目を向けてみる。2012年に総務省が発表した「知のデジタルアーカイブー社会の知識インフラの拡充に向けてー」にはこのようなことが書いてある。「デジタルアーカイブの基本的なメリットは、『誰でも、いつでも、どこからでも、有用な知的資産にアクセスできる』ことです」。

 日本でのデジタルアーカイブは、欧米諸国とくらべて、決して進んでいるというわけではない。むしろ、遅れているという認識だ。図書館や博物館、美術館などの所有物を徐々にデジタル化しているが、それほど目立った動きにはなっていない。「誰でも、いつでも、どこからでも」のレベルには、残念ながら至っていないのが現状だ。2017年12月に開かれたデジタルアーカイブ学会のシンポジウムで、日本のデジタルアーカイブ事情について、「大変な危機感を覚えている」との指摘があった。BBCやNASAの例を出すまでもなく、社会的な責任をもつ団体や企業が率先して進めていかなくてはならない分野のひとつだろう。

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