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米、中国ZTEへ部品輸出禁止を発表ーー論点と日本への影響をジャーナリスト西田宗千佳に聞く

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 米商務省は16日、米企業に対し、中国通信大手の中興通訊(ZTE)への部品輸出を7年間禁止すると発表した。

 同社は米国が制裁対象としているイランや北朝鮮に対して、同社が違法に製品を輸出していたことが判明。経済制裁の一環として、ZTEを通じて米国製品が渡るのを防ぐ措置だったが、これが守られなかったことに対して米商務省は昨年3月、ZTEに総額11億9000万ドルの罰金を科し、関与した従業員の解雇やボーナス減額などの懲戒処分も求めた。

 ZTEは違反を認め、罰金支払いに同意し、従業員を処分したと報告していた。しかし、これが虚偽であり、一部従業員には賞与を全額支給していたことが明らかに。これに対し米商務省は「ZTEの行為を見過ごすわけにはいかない」と表明するに至った。これにより、ZTEへの米国製品の輸出が向こう7年禁止にとなる。米クアルコムが提供するスマートフォン向けのパーツが入手困難となり、ZTEの今後の製品開発に深刻な影響を及ぼす可能性が高いとみられている。

 デジタル分野に詳しいジャーナリストの西田宗千佳氏は、「通信とスマートフォンを中心とした経済活動において、米中の衝突が顕著になっている」と語る。

「アメリカでは、中国企業に国内の市場を奪われる、あるいはアメリカの企業情報などを抜き取るソフトウェアやハードウェアを通信インフラに仕込まれるのではないかという懸念も持ち上がっています。つまり経済上も、安全保障上も、中国企業はアメリカの敵になっている。トランプ政権は露骨なまでに、中国企業の締め出しを行っていますが、なかでも通信分野はわかりやすく、今年1月にはHuaweiが“スパイ活動の懸念”という理由で事実上、米国市場から締め出しを受けています。今回は“合意の不履行”という明確な根拠こそあるものの、米議会筋で『中国の通信企業に対して圧力をかけろ』という声が高まっていることも影響していると考えられる。そうでなければ、ここまで大きな問題には発展しなかったのではないでしょうか。アメリカや日本ではiPhoneのシェアが高いのですが、世界全体を見ると、Androidが7割。中国企業がハイエンドで特徴的なスマートフォンを次々と投入し、アメリカでもシェアを伸ばしていこうというところですが、逆風が吹いている状況です」

 しかし今回のような“制裁”で、不利益を被るのは必ずしも、中国企業側だけではないと西田氏は言う。

「iPhoneはかなりの部分、中国で生産していますし、中国製スマートフォンの中核パーツなどはアメリカがほぼ作っているという関係です。アメリカ企業も中国への輸出で多くの利益を得ているので、その関係をシャットダウンしてしまうと、非常に困る。アメリカにとって経済的な敵国は中国である、と言えるほど単純ではありません。通信とスマートフォンの分野で米中の関係が冷え込んでいけば、米企業の経営にも大きな影響が出てくるでしょう」

      

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