連載『lit!』第118回:LEX、MIKADO、NENE、kZm……強固な作家性を示す国内ヒップホップアルバム
2024年も後半に突入したところで、国内でも様々な角度からヒップホップの優れた新作がリリースされ続けている。それぞれのカラーやス…
粋でいなせな男女2人組ユニット。さらさらと淀みなく流れていく軽やかさがいい! キュートでとことんロマンティックなメロディがいい! 赤面しちゃうほどチープなリズムボックス使いがこれまたいい! ——最高に洒落てて、でもコミカルな機転も欠かさないミカド流フレンチ・ポップスは、世界中のアンテナ鋭敏人間たちに長いこと愛され続けている。
82年にデビュー。当時でこそテクノ・ポップという括られ方であったが、今思えばこの2人組こそフレンチ・テクノの始祖と言っていいだろう。耳元で囁かれたらとろけない男子はいないであろうパスカル・ボレルの歌声、素っ頓狂なパーカッションと瑞々しい打ち込みが最高のグレゴリー・ツェルキンスキー。——日々の喧騒をモロともしない、ふにゃもら〜感全開のサウンドはあれから20年経つ今でも、不思議と褪せないのだ。というか、今こそ新鮮に輝くんじゃないかという気もする。
しばらく音沙汰のなかった彼らだが、グレゴリーはカヒミ・カリィに楽曲提供したり、エスカレーター・レコーズのコンピ盤に参加したり、なんとなく活動中(笑)。そういえば、元ソフトバレエの森岡賢のソロ・アルバム『Questions』(94年)にも何気に参加してたっけ……。日本のアーティストたち(←特にニューウェイヴを通過してきた世代)からは未だにラブコールの多いのもミカドの特徴(?)だ。
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