JOJO広重と小野島大による映像&トーク番組が放送 日本のロック、ノイズ、パンクを語り尽くす
JOJO広重(非常階段)と音楽評論家・小野島大による映像&トーク番組『渋谷La.mama presents (×精神×)新型コロ…
キング・オブ・ノイズ。非常階段が85年に出した3rdアルバムのタイトルでもあるが、それがハッタリでないことは、非常階段のノイズそのものが示してくれる。たとえばThrobbing GristleやSPK、Whitehouseなど、いわゆるジャンルとしてノイズと呼ばれる欧米のグループとは、根本的に違う。どちらかというと非常階段は、ハード・ロックのフィードバックや、フリー・ジャズのインプロヴィゼイションに近く、エネルギーが凄い。とにかく、大音量であり即興演奏であることが非常階段の基本的なコンセプトだ。
79年に京都で結成されたのだが、80年代前半はメンバーが流動的で、10人以上がステージに上がってライヴをやったこともあった。そして当時はライヴ・パフォーマンスも常軌を逸しており、ステージ上で女性メンバーが放尿をしたり、汚物を散布したりなど、客が嫌がることをやっていた。そのあたりの初期の様子は、82年の1stの『蔵六の奇病』で聴ける。そのうち正式メンバーが、リーダーのJOJO広重、T.美川、ジュンコの3人に固定し、ライヴによってはサブ・メンバーが加わる。ひたすら音を拡大し、エレキ・ギター、発振器などのエレクトロニクス、女性の醒めた絶叫と男性の苦悶ヴォイスなど、メンバー間のサウンドが絡み合う。ステージでの派手なパフォーマンスはなくなったが、年を追うごとにサウンドは凄絶の一途をたどり、その様子はまさに、JOJO主宰のレーベル名のアルケミー(錬金術)そのものだ。
非常階段は、ザ・スターリン、ザ・原爆オナニーズ、S.O.B.、サバート・ブレイズなど、他のバンドとの合体ライヴもやってきており、"原爆階段"と"S.O.B.階段"の名義でのアルバムも出ている。またJOJOは、90年代の終盤、基本的にはエレキ弾き語りの3枚のソロ・アルバムをリリース。T.美川は、自分のリーダーのノイズ・ユニットのインキャパシタンツでも活躍する。 (行川和彦)
JOJO広重(非常階段)と音楽評論家・小野島大による映像&トーク番組『渋谷La.mama presents (×精神×)新型コロ…