『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』Pが語る制作の裏側 横山裕×関水渚バディの信頼関係

「プロデューサーも監督も両方できる人になれたら」
――クランクアップ時の2人の様子はいかがでしたか?
中林:2人とも「やり切った!」という表情でした。横山さんは現場で「シリアルキラー役のほうが自由に表現できて楽しそう。自分(磯貝)の役は振り回されてばかりで(笑)」とおっしゃっていました。最後の最後まで過去とも向き合い続ける、本当にエネルギーが必要な役だったので、大変だったと思います。
――普通のドラマだったら磯貝とヒナタが恋愛関係になりそうですが、そうならないところもこの作品の大きなポイントだと感じました。
中林:恋愛要素は入れずに磯貝とヒナタの“戦友”としての信頼関係を軸に描くことで、その関係でしか生まれない特別な絆が結ばれていく過程で、2人がどう支え合うのか、どこに向かって進んでいくのか、気になってもらえたら良いなと思いながら作りました。
――一般的な1時間のドラマとは違う30分の枠でドラマを作る難しさは感じましたか?
中林:実際に作ってみると、1話あたりで描ける量が本当に少ないと感じました。詰め込みすぎてもよく分からなくなるけど、次への引きがないと観てもらえない。最初は1話完結で1人のシリアルキラーを描く案もあったのですが、バディの描写と両立させようとすると中途半端になってしまうので、今回のような構成に落ち着きました。
――劇伴やオープニング、主題歌など音のこだわりも非常にスタイリッシュでした。
中林:単調なサスペンスバディものにならないよう、音で個性を出せたらなと思っていました。(そのタイミングでは)ドラマの劇伴が初めてという、DJのLicaxxxさんにお願いしました。メロディというよりは、リズムや音の質感でテンポ感を色付けていくアプローチで、耳に残るリズムも生まれ、良いアクセントになったと思います。
――現在はプロデューサーを務められている中林さんですが、以前在籍されていた宣伝部時代にはHuluの新世代“映像クリエイター”発掘&育成プロジェクト「Hulu U35クリエイターズ・チャレンジ」に自ら応募し、企画を通して脚本・監督を務められたという異色の経歴をお持ちです。
中林:入社当初からドラマを作りたいと思っていて、作る部署にいないなら自分で何かやってみるしかないかと思い、応募してしまいました(笑)。自分で脚本を書いて監督をするプロセスを先に経験したからこそ、根幹を作り上げる監督・脚本業への興味は今も大きいです。プロデューサーも監督も両方できる人になれたら嬉しいなと思っています。
――今後「水ドラ☆イレブン」枠でやってみたい企画などはありますか?
中林:ある程度自由度もあり、それでいて限られた尺で工夫が求められるこの枠で作るからこそおもしろくなる企画があるのではないかと考えています。とりあえずは、いつかオリジナルの企画を形にするのが目標です。あとは枠に関係なくですが、私は『すいか』(日本テレビ系)が定期的に見直してしまうくらい大好きで、派手な事件は起きなくても日常の1コマ1コマがドラマになるというか、そんな日常が愛おしく描かれているような作品をいつか作れたらなと思っています。
■放送情報
水ドラ★イレブン『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週水曜23:00~放送
出演:横山裕、関水渚、奥野壮、米倉れいあ、上田航平、大西武志、樋口日奈、小島藤子、戸田昌宏、山崎紘菜
原作:伊口紺・中村優児『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』(講談社『good!アフタヌーン』連載)
脚本:兒玉宣勝、枝常コウタ
演出:坂本栄隆、井上博貴、飯塚俊光
チーフプロデューサー:萩原崇
プロデューサー:中林佳苗、黒澤優介、鈴木伊織、渡邉直哉
音楽:Licaxxx
主題歌:SUPER EIGHT「再咲」(INFINITY RECORDS)
オープニング曲: Soala 「Shadow Memory」
制作協力:AOI Pro.
制作著作:カンテレ、テレビ西日本
©︎カンテレ
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