“瀬尾”佐野勇斗が放った「結婚しよう」の衝撃 『君の好きは無敵』が繋ぐ“好き”の力
キャラクターにも、流行り廃りはある。かつて一世を風靡したキャラクターが、いつしか「懐かしい」と言われるようになることも珍しくない。『君の好きは無敵』(TBS系)第7話で描かれたのは、移り変わりの激しい世界で「好き」を貫くことの難しさと、それでも大切なものを守り続けることの尊さだった。その中心にいたのが、瀬尾(佐野勇斗)の祖母であり、人気キャラクター・ベリーグッドベリーを生み出した伝説的デザイナーの門戸鞠子(白石加代子)である。
物語の大きな舞台となった「全日本キャラクターグランプリ」には、瀬尾が生み出したチュチュチュエラと、鞠子が生み出したベリーが参加。いわば祖母と孫の直接対決だ。だが、「かわいいには勝負をさせない」という考えを大切にしてきた瀬尾は、当初グランプリへの参加を拒んでいた。誰かを支えるために生まれたキャラクターを、勝ち負けの世界に放り込むことに抵抗があったのだろう。
しかし、チュエラの知名度を上げるには、グランプリはうってつけの場だ。杏奈(松本若菜)たちと意見が対立し、家を飛び出した瀬尾は、旅先でチュエラのパペットを使った動画を投稿し始める。シュールな内容に杏奈たちは戸惑うが、その独特の世界観は意外にも人々の注目を集めていった。
そんな瀬尾が偶然出会ったのが、筋肉アイドル・アーノルド&シルベスター(杉浦太陽/武田真治)だ。杏奈の元彼・麦(金田哲)をはじめとする弟子たちが会場で使った重いパイプ椅子を誰が一番早く片付けられるか競う姿を見て、瀬尾は「競争させられて大変だ」と受け取る。だが、彼らにとって、それは相手を蹴落とすための争いではない。同じ夢を追う者同士の「切磋琢磨」なのだという。
順位がつくことと、誰かを負かすことは必ずしも同じではない。競い合いながら、それぞれが目指す場所へ近づいていくこともできる。そんな気づきが、瀬尾の中にあった勝負への抵抗を、少しずつほどいていったのではないだろうか。アーノルド&シルベスターとのコラボ動画も話題を呼び、チュエラの知名度は着実に上がっていった。
一方、杏奈はチュエラとコラボしてくれる企業を探す中で、ある選択を迫られていた。「ただ支える」というコンセプトに共感してくれた小さな飲料メーカーか、より高いライセンス契約料と大きな宣伝効果が見込める大手飲料メーカーか。損得だけを考えるなら、後者を選ぶほうがいいに決まっている。
それでも杏奈は、前者を選んだ。チュエラを多くの人に知ってもらうことは大切だが、そのためにキャラクターに込めた思いまで見失ってしまっては意味がない。相談を受けた瀬尾が「おコンがいいと思う方で。多分、同じだから」と答えたのも印象的だった。大切にしたいものが、言葉にしなくても一致している。2人の関係が少しずつ熟していくのが感じられた。
その頃、鞠子もベリーを守るために動いていた。大三島(本郷奏多)から、グランプリで20位以内に入らなければ今後ベリーを展開しないと告げられ、サイン会を開くなど、少しでも順位を上げようと奔走する。だが、結果はチュエラが19位、ベリーが21位。思うような結果は得られなかったものの、長年キャラクター業界で活躍してきた功績が認められ、名誉賞を受賞した鞠子はステージ上で引退を宣言した。