北米映画の夏興行、2019年超えでコロナ禍を振り切る 『スパイダーマン』などヒット作連発で

北米夏興行、2019年超えでコロナ禍振り切る

 今夏は『トイ・ストーリー5』や『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』、『プラダを着た悪魔2』といったスタジオ大作のほか、『Michael/マイケル』と『バックルームズ』『オブセッション 災愛』の3本がそれぞれスタジオ史上最高興収を更新。少数の超大作でなく、規模もジャンルも異なるヒット作が途切れなかったことが歴史的記録を支えた。

 2026年の北米年間興収は、8月23日時点で70億ドルを突破。前年同期を約20%上回り、2019年同期との差は約7%まで縮まった。今後は『バイオハザード』やトム・クルーズ主演『DIGGER/ディガー』、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』『デューン 砂の惑星PART3』なども控えるだけに、うまくいけば2019年超えもいよいよ視野に入ってくる。

 同じく劇場関係者からは、今年の好調を受け、劇場ビジネスは「配信では到底ありえない規模の収益を生み出せる」との声も上がっているという。もっとも、今夏の話題作ラッシュは2023年のストライキによる製作・公開遅延などが間接的に影響していると考えられ、毎年この勢いを再現することは難しい。ここで生まれた活況を、恒常的な映画人気へとつないでいくことが業界の課題だろう。

 今週の第2位は、人気ホラーシリーズ『インシディアス』第6作『Insidious: Out of the Further(原題)』が初登場。北米3303館にて2530万ドルを稼いだが、前作『インシディアス 赤い扉』(2023年)の3300万ドルには届かなかった。その一方、海外23市場ではシリーズ最高の初動を記録し、世界興収は6030万ドル。シリーズ世界累計興収は8億ドルを突破した。

 Rotten Tomatoesでは批評家スコア57%・観客スコア70%、観客の出口調査に基づくCinemaScoreは「C+」評価とやや渋いが、ホラー映画には珍しくない結果だ。注目は女性客の強さで、男女比では女性が57%、年代を含むと25歳以上・女性が33%で最大層。25歳未満・女性も24%を占めた。

 製作費は1800万ドルと低予算かつ、今後4週間はライバルとなるホラー大作がほとんどないため有利な興行になりそうだ。ビジネスとしての勝ち筋は大いに見えている。日本公開は未定。

 第6位には、ジェイソン・ステイサム主演『Mutiny(原題)』が750万ドルで初登場。公開直前にPrime Videoで誤配信され、映像がYouTubeなどにも流出する事件があったが、興収成績は予測と大きく変わらず、影響はさほどなかったとみられる。製作費4000万ドルに対して初動成績は控えめだが、ステイサム主演映画は海外市場や配信展開まで見据えたビジネスだという。日本公開は未定。

 第7位には、A24製作の『Tony(原題)』が前週18位から大幅ランクアップ。公開3週目に上映館を1642館へと拡大し、週末興収は501万ドル、北米累計は665万ドルとなった。料理人&作家であるアンソニー・ボーデインの伝記映画で、『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(2023年)のドミニク・セッサが主演。Rotten Tomatoesでは批評家95%・観客93%と好評だ。日本公開は未定。

北米映画興行ランキング(8月21日~8月23日)

1.『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(→前週1位)
3900万ドル(-44.8%)/4006館(-533館)/累計8億5490万ドル/4週/ソニー

2.『Insidious: Out of the Further(原題)』(初登場)
2530万ドル/3303館/累計2530万ドル/1週/ソニー

3.『オデュッセイア』(↓前週2位)
1950万ドル(-17.4%)/3091館(-126館)/累計5億3906万ドル/6週/ユニバーサル

4.『パウ・パトロール ザ・ダイノ・ムービー』(→前週4位)
910万ドル(-55.1%)/3609館(+64館)/累計3540万ドル/2週/パラマウント

5.『オークストリートの異変』(↓前週3位)
900万ドル(-57.2%)/3478館(+32館)/累計3796万ドル/2週/ワーナー

6.『Mutiny(原題)』(初登場)
750万ドル/2703館/累計750万ドル/1週/ライオンズゲート

7.『Tony(原題)』(↑前週18位)
501万ドル(+576%)/1642館(+1605館)/累計665万ドル/3週/A24

8.『ワイルド・スピード』25周年記念上映(初登場)
310万ドル/1561館/累計310万ドル/1週/ユニバーサル

9.『Spa Weekend(原題)』(初登場)
303万ドル/2009館/累計303万ドル/1週/Black Bear

10.『Teenage Sex and Death at Camp Miasma(原題)』(↑前週17位)
193万ドル(+113%)/1036館(+982館)/累計368万ドル/3週/MUBI

(※Box Office Mojo、Deadline調べ。データは2026年8月24日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)

参照
https://www.boxofficemojo.com/weekend/2026W34/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/spider-man-brand-new-day-box-office-insidious-mutiny-2-1236678980/
https://variety.com/2026/film/box-office/spiderman-brand-new-day-box-office-insidious-6-opens-1236838324/
https://variety.com/2026/film/box-office/the-odyssey-biggest-r-rated-movie-all-time-deadpool-wolverine-1236838976/
https://variety.com/2026/film/box-office/movie-theater-owners-summer-box-office-fall-films-1236836744/
https://deadline.com/2026/08/box-office-insidious-out-of-the-further-brand-new-day-1237047405/
https://deadline.com/2026/08/global-box-office-spider-man-brand-new-day-insidious-6-1237048315/
https://deadline.com/2026/08/box-office-domestic-7-billion-1237048328/

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