祖父・緒形拳の夢が導いた俳優人生 緒形敦が『豊臣兄弟!』で見据える大河主演への道

現在放送中の大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合)。主人公・豊臣秀長(仲野太賀)が兄の秀吉(池松壮亮)と共に天下統一を成し遂げていく激動の戦国時代を描く本作で、織田信長(小栗旬)のおい・織田信澄役を演じているのが緒形敦だ。
中学卒業後にアメリカへ留学し、ファッションデザイナーを志していたという異色の経歴を持つ彼は、祖父・緒形拳が夢に出てきたことをきっかけに俳優への道を歩み始めたという。デビューから9年、自身の大きな分岐点となる大河ドラマへの出演を果たした今、緒形直人との親子共演の裏側から、重圧を跳ね返す地道な役作り、そして見据える今後の大きな目標について、たっぷりと語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
祖父・緒形拳の夢が人生の転機に

ーーまずは、俳優になろうと思ったきっかけから教えていただけますか。
緒形敦(以下、緒形):僕は中学を卒業してアメリカの高校に通っていて、ずっとファッションデザイナーになりたかったんです。大学もニューヨークのファッション大学に内定が決まっていたのですが、高校卒業から大学入学までの夏休みの約3カ月間、フランスのパリでサマースクールに通ってファッションの勉強をしていました。
ーーそこからどうして役者の道を進むことになったのでしょうか?
緒形:そのときは役者になるなんてちっとも思っていなかったのですが、最終日に寝ていたら、夢に祖父(緒形拳)が出てきたんです。夢の中で僕は「デザイナーになるか、俳優になるか、どっちがいいか」と祖父に聞いていました。すると祖父は、ただニコッと笑ってどこかに行ってしまって……。目が覚めた瞬間、ふと感覚的に「役者になりたいな」という思いが湧き上がってきたんです。そこですぐに両親に連絡して、「日本に帰って役者になろうと思う」と伝えました。

ーーそれはまさに、運命の分岐点ですね。ご家族の反応はいかがでしたか?
緒形:一瞬、固まってすごくビックリしていましたね。僕が「役者になりたい」と言ったことは一度もなかったので、いきなりそんなことを言い出して、最初は「嘘でしょ?」と信じられない様子でした。
ーーそれまでお芝居の勉強はされたことがなかったそうですが、プロの世界に入ってからは、具体的にどのようにしてお芝居を学んでいかれたのでしょうか?
緒形:何もかもが手探りのスタートでした。当時山田孝之さんが出演されていた映画『大洗にも星はふるなり』が大好きで、山田さんの芝居に憧れたのをきっかけに自分で調べて今の事務所に応募したんです。入所後、会長から「お前の祖父(緒形拳)の作品を全部観て勉強しろ」と言われました。小さい頃は、殺人鬼など強烈な役を演じることが多かった祖父の作品を「あまり観るな」と周囲から言われていたんです。ですが、役者になってから改めて一からすべて観ていくうちに、「こんなに凄まじい表現をする人だったんだ」と、圧倒されると同時に尊敬の念がさらに深まりました。
緒形直人との"親子共演"で感じたこと

ーーキャリアを積まれる中で、『東京P.D. 警視庁広報2係』(フジテレビ系)でお父様(緒形直人)が演じる役の若い頃を演じられたことも話題になりましたね。
緒形:『東京P.D. 警視庁広報2係』のプロデューサーの方が「若い頃の役を息子さんでどうですか?」と父に話をしてくださったみたいで。役の設定が30歳で、ちょうど僕も今年30歳になるので良いタイミングじゃないかと。父からも「どうだ?」と聞かれました。実際に同じシーンでお芝居をするわけではないですが、「若い頃の役」という形での共演なら面白い経験になるかなと思い、受けさせていただきました。想像以上の反響をいただきビックリしましたが、すごく貴重な経験でしたね。
ーー映像を通しての“親子共演”ですね。お父様からお芝居についてアドバイスはありましたか?
緒形:特別にアドバイスを受けたことはありませんでした。ただ、親子なので普段の仕草や話し方など自然と似ている部分があると思います。今回は父が演じる人物の若い頃を演じる役だったため、そうした雰囲気や所作を意識しながら演じました。
ーーちなみに、お父様と現場でお会いすることはあったのでしょうか?
緒形:実は、楽屋で一回だけ会ったんです。でも、5秒で出ました(笑)。お互いに何もしゃべることなく、「お疲れ」と言ってすぐ帰りました。現場だとちょっと気まずいというか、お互いに照れちゃって。現場ではやっぱり大先輩なので、何を話していいのか、タメ口でいいのかといろいろ考えてしまって(笑)。




















