加藤千尋、念願のホラー映画出演で大興奮 “1人では生きていかない”独自の表現者哲学に迫る

BiSH解散から3年、加藤千尋の現在地

「1人だと、私は“ゼロ”なんです」

ーー劇中で悠希を追い詰めていく夫・稔役の北山宏光さんとの共演はいかがでしたか?

加藤:北山さんのお芝居を間近で拝見するのは初めてだったのですが、完全に「没入型」の役者さんだなと圧倒されました。普段の柔らかい雰囲気を現場に引きずるのではなくて、本番の声がかかった瞬間に完全にスイッチが入るんです。

ーー目が変わる瞬間の恐怖感は凄まじかったです。

加藤:本当に怖かったです! 「この人、心の奥底に何を隠し持ってるんだろう……」って、本気で恐怖を感じる目でした。でも、その圧倒的なエネルギーで私のお芝居をずっと引っ張って、引き出してくださったなと感じています。終盤で、悠希にとってかなり衝撃的なシーンがあるんですけど、あのシチュエーションとかも、ホラー好きとしては「これこれ! 待ってました!」って心の中で大興奮していました(笑)。

ーーBiSHの解散から約3年、舞台やミュージカル、ドラマや映画と、加藤さんはお芝居の道を順調に歩まれている印象です。

加藤:もう、毎回生きるのに必死です! でも、私に「これを任せたい」と思ってオファーしていただいたものには、できる限り全力で体当たりしたいという強い思いがあります。私はもともと音楽という違うフィールドにいた人間だからこそ、お芝居の世界に挑むときは絶対に生半可な気持ちでいたくないんです。先日まで挑戦していたミュージカル『奇跡を呼ぶ男』も初めてのことばかりで、周りの皆さんが尊敬できる方ばかりでした。そこで受けた大きな刺激が、自分の俳優人生の確かな芯になったと感じています。映画でもドラマでも、どの現場にいるときも、ちゃんと芯のある強い女性でいたいなと、このタイミングで改めて強く思いました。

ーー音楽活動とも並行され、非常に過酷なスケジュールだと思いますが、活動のモチベーションはどこから湧いてくるのでしょうか?

加藤:単純に、お仕事が大好きなんです。休みがいっぱいありすぎると逆に寂しくなっちゃうタイプで。それに、私は「1人では生きていかない」って心に決めているんです。

ーー「1人では生きていかない」ですか?

加藤:はい。物作りって、いろんな人と手を取り合って形にするものですよね。グループを離れて1人で表舞台に立つようになって、全ての責任が自分に返ってくる怖さは常にあります。私はもともと自分に自信があるタイプではないので、自己肯定感をどう保てばいいか分からなくなるときもあるんです。でも私のエネルギーって、人と会って、誰かから言葉をいただいたり、オーディエンスの皆さんの熱量を受け取ることでしか貯まらないんですよ。1人だと、私は“ゼロ”なんです。なので、自分のことをもっと好きでいるために、現場で出会う人たちや、応援してくれる皆さんに全力で愛してもらう。そのぎゅぎゅっと貯まった愛を、作品や音楽として全力で放出する。その相互作用があるからこそ、私は今、光のほうを向いて、怯えずに新しい挑戦を続けられているんだと思います。

ーー今回のホラー映画の出演を機に、今後さらに加藤さんのお芝居を見たいという声が大きくなりそうです。

加藤:そう思っていただけると嬉しいです。今回の『氷血』をきっかけに、普段ホラーを観ない方にもこのジャンルの魅力を広めたいですし、ホラーのオファーならいつでもどしどしお待ちしています! スプラッターでもっとザクザクに切り刻まれるような役もやってみたいです(笑)。あとは、アクションにも挑戦してみたいですね。「バリバリ激しいアクションができる女」になることも、今後の大きな目標のひとつです。

■公開情報
『氷血』
新宿バルト9ほかにて公開中
出演:北山宏光、加藤千尋、山谷碧都、佐津川愛美、福島リラ、渡辺哲、佐野史郎
監督:内藤瑛亮
脚本:片桐絵梨子
配給:ショウゲート
©︎2026映画 「氷血」 製作委員会
公式サイト:hyoketsu-movie.jp

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