【今夜放送】『トイ・ストーリー4』は“新フェーズ”? ウッディの自立が『5』に及ぼす影響
7月3日の映画『トイ・ストーリー5』公開にあわせ、日本テレビ系の『金曜ロードショー』で『トイ・ストーリー』シリーズが連続放送。そのラストを飾るのが、7月3日に放送される『トイ・ストーリー4』(2019年)だ。前作『トイ・ストーリー3』(2010年)でウッディたちおもちゃの継承が行われ、完結したかに見えた物語が再び動き出したのはなぜなのか? 異論も出たシリーズの続行は、最新作『トイ・ストーリー5』へとどう繋がるのか?
美しい磁器製人形のボー・ピープがいなかった『トイ・ストーリー3』。その不在の経緯が改めて描かれるシーンから、『トイ・ストーリー4』は幕を開ける。
アンディの妹のモリーに持ち主が変わった後、ボーは雨の中を別の男性にもらわれていった。それから9年後に、ウッディやバズ・ライトイヤー、ジェシーといったおもちゃたちも、『3』で描かれたように持ち主が大学生のアンディからまだ幼いボニーという少女に変わって、いっしょに遊んでもらえるおもちゃにとって幸せな日々を過ごしていた。
フェーズ2。かつてアンディとの間で紡いだおもちゃと持ち主の子供との交流を、ボニーという少女との間で新たに始めるだけの物語だったら、寂しい離別を経て新たな喜びを得ることで味わった『トイ・ストーリー3』の感動が、意味を失っていたかもしれない。おもちゃたちが新しい持ち主のところでも、変わらず幸せに感じてもらいたいと頑張る優しさを、再確認できる意味はあったかもしれないが、二番煎じでしかないと感じる人が出ることも否定できない。
そこを『トイ・ストーリー4』は、想像もつかなかったストーリーを意外なキャラクターの投入と、アクション満載のスペクタクルな展開によって描き、『トイ・ストーリー』というシリーズを新たなフェーズへと移行させた。そこでの意外すぎた展開が、もしかしたら1996年の登場から30年もの時間の中で観る人に抱かせた思い出を刺激して、反発を招いた可能性はある。すなわちボーの再来であり、印象の激変だ。
ウッディたちの新しい持ち主になったボニーは、どこか引っ込み思案なところがあって幼稚園にも行きたがらない。両親に説得されて連れていかれた体験入園でも、誰かと積極的に友達になるのではなく、先割れスプーンを使って人形のようなものを工作し、フォーキーと名付けてそのまま家に持ち帰る。
このフォーキーが、ウッディたちのように動き出して放った言葉が、自分はゴミだといったネガティブなものだった。そうじゃない、フォーキーはボニーにとって大切な友達なんだと他のおもちゃたちが言っても理解しようとしない。そうまで自分を卑下するのは、他のおもちゃたちに比べてみすぼらしい形だからなのか。プラスチック製のスプーンという、使われたらゴミになる素材がもともと持っている性格ゆえか。いろいろと想像が浮かぶ。
ただ、当事者がどう思うともボニーにとってはフォーキーはそばにいてほしい存在だった。そのことを感じ取ったウッディは、ボニーに伴われキャンプに出かけた先でフォーキーが逃げ出したのを追いかけ、ボニーのところへ連れ戻そうとする。ネガティブなままのフォーキーをウッディが説得していく展開の中で、おもちゃにとって子供が必要なこと以上に、子供にとってそれがたとえ先割れスプーン製の人形もどきであっても、おもちゃとして必要なのだということが見えてくる。
自分は高価なカウボーイ人形だというプライドを持ち、自分がボニーをなんとかしなければという思い込みも強いウッディには、もしかしたらフォーキーのような存在は認めがたいものだったかもしれない。それでも、子供にとって何が必要なのかということを問いかける展開の中で、子供はおもちゃというものへの考え方を新たにする。ウッディ自身も自分こそがといった意識を変えていく。
そうしたシフトチェンジを強烈に後押しする存在がいた。ボーだ。9年前に誰かの家へともらわれていき、幸せに暮らしていたはずのボーがウッディの前に姿を現す。驚くのはその変身ぶりだ。楚々として上品な雰囲気を漂わせていたボーが、走り飛び戦うアクティブなキャラになっていた。