『トイ・ストーリー5』監督が明かす、“続編を作る意義がある”と確信した画期的なアイデア

7月3日に公開されるディズニー&ピクサー映画『トイ・ストーリー5』の監督を務めたアンドリュー・スタントンが、「続編を作る意義がある」と確信した画期的なアイデアについて語った。
世界初の長編フルCGアニメーションとして映画史を変えた1995年全米公開の『トイ・ストーリー』。日本では1996年3月23日に公開され、その革新的な映像表現と世代を超えて共感を呼ぶストーリーで大ヒットを記録した。その後も『トイ・ストーリー2』(2000年)、『トイ・ストーリー3』(2010年)、『トイ・ストーリー4』(2019年)とシリーズ化され、日本公開から30周年となる2026年、最新作『トイ・ストーリー5』が公開となる。
6月19日に全米ほか世界各国で公開を迎えた『トイ・ストーリー5』は、『トイ・ストーリー』シリーズ史上最大のオープニング記録を樹立し、2026年に公開された作品の中でも全米、全世界興行収入ともにNo.1のオープニングを獲得した。
1作目の『トイ・ストーリー』公開以来、30年にわたり世界中の観客に愛され続けてきた本シリーズ。ピクサーには「過去作を上回る“語るべき物語”がある場合以外は続編を作らない」という信念があることで知られているが、なぜ『トイ・ストーリー』シリーズは5作目まで続くことができたのか。その背景について、『トイ・ストーリー』から『トイ・ストーリー4』までの全4作品に脚本・原案として携わり、本作では監督を務めたスタントンが「『トイ・ストーリー3』を作るか作らないかという会議で、誰かが『アンディを大学に行かせたらどうなる?』と言ったんです。そのひとことで、“おもちゃが持ち主から次の子どもへと受け継がれていく”という画期的なアイデアが生まれたんです」と語り、このアイデアがあったからこそシリーズの可能性が大きく広がったと明かした。
『トイ・ストーリー』ではアンディの一番のお気に入りのおもちゃだったウッディだが、『トイ・ストーリー2』で持ち主に捨てられてしまった悲しい過去を持つジェシーと出会うことで、“子どもはいずれおもちゃで遊ばなくなる”という避けられない現実を知ることになる。その後、『トイ・ストーリー3』では大学生になるアンディとの別れと新たな持ち主ボニーとの出会いが描かれ、『トイ・ストーリー4』ではウッディがボニーのもとを去るという大きな決断が描かれた。このように『トイ・ストーリー』シリーズでは、時代とともに変化していく子どもたちと、それを見守る変わらないおもちゃたちの姿が描かれてきた。この“子どもは成長するが、おもちゃはいつの時代も変わらない”という発想こそが、『トイ・ストーリー』シリーズが30年にわたって続いてきた理由のひとつだという。
スタントン監督は、『トイ・ストーリー3』の企画開発中に訪れた転機について「2007年か2008年頃だったと思いますが、誰かが『アンディを大学に行かせたらどうなる?』と言ったんです。その人は冗談のつもりで言っていたのですが、ふと場が静まり返りました。そして別の人が『いや、たしかに。アンディを大学に行かせたらどうなるだろう?』と言ったんです。そしてその瞬間、私の頭の中が一気に開けました」と振り返る。長きにわたり続編が作られていく以上、登場人物の成長を描くことは避けられない。しかし『トイ・ストーリー』シリーズの主人公であるおもちゃたちは人間と違って年を取らないという事実に気が付いた瞬間、製作チームは「おもちゃたちは次の子ども、そのまた次の子どもへと受け継がれながら、時代ごとに異なる子どもたちの物語を見届けることができる」という大きな可能性に気付いたという。スタントンは、「おもちゃたちは時間の影響を受けません。変わるのは世界の方なのです。アンディの時代があり、その後にボニーの時代があり、そのまた後に別の子どもの時代がくる。決して同じことの繰り返しにはなりません。なぜなら、同じ子どもなんていないからです。子どもはひとりひとり違うし、家庭も文化も時代も違う。おもちゃたちは、そのすべての瞬間を語るナレーターなのです」と語り、『トイ・ストーリー』シリーズを30年に渡り作り続けてきた一番の理由を明かした。
そして、最新作『トイ・ストーリー5』で描かれるのは、“デジタル時代を生きる子どもたち”の姿。本当はまだまだおもちゃで遊びたいのに、周囲の子どもたちはタブレットに夢中で話が合わず、友達ができないことに悩んでいるボニー。そんな彼女を心配した両親からのプレゼントで、最先端タブレット「リリーパッド」がボニーの部屋にやってきたことで、ボニーとおもちゃたちの日常は大きく変化していく。
スタントンは、「少なくともここ10年間ほど、おもちゃが子どもの人生においてますます存在感を失っていると感じていました。電子機器が支配する今の時代におもちゃで遊ぶ子どもの姿は、ほとんど時代遅れのようにも感じられたのです」と明かす。また、実際に自分たちの家庭や社会で起きている変化を目の当たりにする中で、「こういう時代をおもちゃたちはどう感じるだろうか?と何度も自問しました。そして私たちは、“おもちゃvsテクノロジー”というコンセプトを描くなら今しかないと思いました。おそらくこれ以上早くは取り組めなかったことだろうとも思います」と語っている。
周囲の子どもたちに取り残される不安から、どんどん画面の中の世界へ夢中になっていくボニーと、“自分たちはもう必要とされていないのではないか”と不安を抱くおもちゃたち。果たして、おもちゃたちはボニーの心を取り戻すことができるのか。そして変わりゆく時代の中で、おもちゃにできる本当の役割とは。


■公開情報
『トイ・ストーリー5』
7月3日(金)全国劇場公開
監督:アンドリュー・スタントン
共同監督:ケナ・ハリス
製作:リンジー・コリンズ
声の出演:唐沢寿明(ウッディ役)、所ジョージ(バズ役)、日下由美(ジェシー役)、広瀬アリス(リリーパッド役)、佐野勇斗(スマーティー・パンツ役)、竜星涼(フォーキー役)ほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
全米公開日:2026年6月19日/原題:Toy Story 5
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