興収で読む北米映画トレンド
『トイ・ストーリー5』北米No.1 2026年最高のスタート&シリーズ記録も更新

ディズニー&ピクサー最新作『トイ・ストーリー5』が、2026年最大のオープニング成績で北米映画興行の週末No.1を獲得した。北米4425館で公開され、週末3日間(6月20日~22日)の興行収入は1億6000万ドル。『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』を超え、今年最高のスタートだ。
これは『トイ・ストーリー』シリーズとしても史上最高の滑り出しで、前作『トイ・ストーリー4』(2019年)が保持する歴代記録1億2090万ドルを大きく更新。アニメーション映画としても、『インクレディブル・ファミリー』(2018年)の1億8268万ドルに次ぐ歴代2位の初動となった。
海外市場では1億5200万ドルを稼ぎ出し、世界オープニング興収は3億1200万ドル。週末3日間の成績としては、同じく『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』を抜いて今年最大の数字となった(同作の世界初動興収は3億7250万ドルだが、ここには週末3日間以外の数字が含まれている)。

本作は、『トイ・ストーリー』シリーズ7年ぶりの続編。バズやジェシーたち、おなじみのオモチャたちの持ち主ボニーが、子ども向けタブレット「リリーパッド」に夢中になり、仲間のピンチを悟ったウッディが戻ってくる……。監督はシリーズ全作に携わる重鎮アンドリュー・スタントン&新鋭ケナ・ハリス。
ピクサーは今年、『私がビーバーになる時』をオリジナル作品として久々のヒットに導いており、本作で劇場でのブランド回復を再び印象づけた。今後、ディズニー作品としては『インサイド・ヘッド2』(2024年)や『ズートピア2』(2025年)に続く世界興収10億ドル超え、またシリーズ最高興収である『トイ・ストーリー4』の10億7384万ドルを上回れるかどうかが焦点となる。
観客動員は約1150万人で、コロナ禍以降のファミリー映画としては『インサイド・ヘッド2』の約1220万人に次ぐ規模。男女比は女性57%・男性43%で、ファミリー層を中心に、女性客と母親層の強さが目立った。IMAXをはじめとするプレミアムラージフォーマット上映もチケット売上の31%を占めており、需要の大きさを示している。
効果的だったのはSNSを軸にした宣伝戦略で、リーチ数は『インクレディブル・ファミリー』を上回り、テイラー・スウィフトが提供した主題歌「I Knew It, I Knew You」も大きな話題を呼んだ。ディズニープラスではシリーズ過去4作の視聴が6000万時間を超えており、この最新作への注目度が高まっていたことがわかる。

もっとも意外なのは、言わずもがな広く知られている長寿シリーズながら、「『トイ・ストーリー』のファンだから」映画館を訪れたという観客が全体の半数(50%)だったこと。必ずしもファンを中心とした初週興行とはならなかったわけで、2週目以降の推移にも注目したい。
Rotten Tomatoesでは批評家スコア94%·観客スコア95%。映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでは、シリーズ史上4度目の「A」評価となった。また、別の出口調査でも「強く勧める」が75%、親世代では89%に到達。観客の満足度とファミリー層の支持を踏まえると、口コミ&リピーター効果にも大いに期待できる。
日本では7月3日公開。ちなみに、日本は『トイ・ストーリー』シリーズがとりわけ強い市場であり、『トイ・ストーリー3』(2010年)が北米以外での最大市場となったほか、『トイ・ストーリー4』も興行収入100億円を突破している。



















