『時すでにおスシ!?』脚本・兵藤るりが明かす制作秘話 「本当に全部が挑戦だった」

TBS火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』の脚本を手がける兵藤るりのインタビューコメントが公開された。
本作は、永作博美演じる子育てを卒業した待山みなとが、50歳で久しぶりに訪れた“自分の時間”に戸惑いながらも、第二の人生を歩み始める完全オリジナルの人生応援ドラマ。みなとが第二の人生として飛び込んだ“鮨アカデミー”の堅物講師・大江戸海弥を松山ケンイチが演じる。
本作の執筆について「本当に全部が挑戦だった」と振り返る兵藤。「学園ものという、ある特定の場所で起こる人物劇を書くのも初めてでしたし、しかも“鮨を習う”という珍しい場所じゃないですか。そういう意味でも、何もかもが新鮮でした」と明かす。これまで紡いできたセリフからは想像できない言葉も飛び出したといい、「“タイマン”とセリフに書いたのも初めてですし、ト書きに“デコトラ”と書いたのも人生初でした」と笑顔を見せた。
随所に差し込まれるコメディー要素について兵藤は、「楽しく見てもらうためのメリハリの部分」とコメント。「共感してもらいたい部分や、その回のメッセージになる部分は、軽快なやり取りというより、ちゃんと聞かせるセリフとして書くことを意識しています」とした上で、「“さかな組長”の顔芸のように、ちょっと笑える要素を入れることで、“楽しかった”という余韻にもつながるんじゃないかなと思って、そういう要素を入れていきました」と明かす。
“さかな組長”こと大江戸海弥を演じる松山については、「(脚本に)“やっちまった”とは書いていましたが、あそこまでやってくださるとは思っていなくて(笑)」と想像を超えた芝居に圧倒されながらも、「それでもちゃんと大江戸先生のキャラクターとして成立しているのがすごい」と驚きを口にした。
キャラクター作りでは、出演者本人の個性が大きく影響した部分もあったという。みなとの親友・磯田泉美については「完全に有働由美子さんありきだった」と明かし、「“有働さんをいかに生かすか”みたいなところから、泉美というキャラクターが出来上がっていった気がします」と語る。慎重で真面目なみなとに対し、泉美は大胆で自由奔放。その絶妙な対比も、有働の存在があったからこそ成立したバランスだった。泉美の行きつけのカラオケスナック「べてらん子」でのシーンについては「『べてらん子』のシーンの有働さん、本当に輝いていました(笑)」と振り返った。
みなとの息子・渚(中沢元紀)と、みなとのクラスメイトで親への反発心を隠さない森蒼斗(山時聡真)の関係性についても、「二人とも、自分の好きなことに向かって頑張っている姿勢は同じなんです。根底にある熱さは似ている」と語る兵藤。第7話で二人がパンケーキ店を訪れるシーンについては、「渚は“頑張らなきゃ”と思うほど視野が狭くなってしまうタイプなので、そこをこじ開けてくれるような友達がいてくれたらいいな、という思いも込めていました」と明かした。
好きなキャラクターを聞かれると、兵藤は「蘭子ネキ(姉貴)です(笑)」と即答し、猫背椿が演じる小宮山蘭子への愛着をのぞかせる。「そこまで多くを語らなくても、その場をつないでくれる存在なんです。視線でアシストしたり、思いきり盛り上げてくれたり」と語り、物語の終盤では蘭子が“いつもより少ししゃべる”シーンも登場するという。「でも、全部は明かさないんですよね。そういうミステリアスさも魅力だと思います」とも語った。
本作を語る上で欠かせないのが、毎話登場するダジャレの存在だ。もともとは“大江戸先生が少しダジャレを言う”程度の設定だったが、気づけば作品全体のカラーになるほどに発展し、サブタイトルにも採用されるようになった。「最初は“面白いかな”と思って始めたんですが、結果的に自分で自分の首を絞めています」と苦笑い。特に苦労したのは、第8話の“エビ”回だといい、「ダジャレな上に、その回のモチーフに合わせるっていうルールまで自分で作ってしまって」と笑う。ダジャレを言うフランス人留学生・セザール(Jua)の存在も加わったことで、「キャラクターとしてはすごくかわいいんですが、書いているほうは大変でした(笑)」と本音ものぞかせる。それでも、「視聴者の方が“毎回あってほしい”と思ってくれる要素になったらいいなと思って続けていました」と語った。
第5話に登場した森の母親・温子(佐藤江梨子)は、制作途中で大きくキャラクターが変化した人物だった。第4話までを作り上げる中で、プロデューサーから本打ちで「当初の温子の設定より、もう少し明るくインパクトのあるキャラクターにしたい」という話があり、提案されたのが“ヤンキー”だったという。その参考として薦められたのが、あるヤンキーの恋愛リアリティーショーだった。「人生で初めて恋愛リアリティーショーを見ました(笑)」と笑う兵藤は、年末最後の打ち合わせで突然告げられたことから、「一人で年越ししながら見ていました。“なんだこれは”と衝撃でした(笑)」と、思わぬ年越しになった様子を語った。
永作も第5話の“わちゃついている感じ”を楽しんでいたそうで、森親子がケンカをするシーンで、「“タイムです”と、みなとが割って入るところが『めちゃくちゃ面白かった』と言ってくださっていたそうです(笑)」と、撮影現場の和やかな空気ものぞかせた。
そんな本作について、兵藤は「誰にとっても、第二の人生や、何かを始める節目みたいなものはあると思う」と前置きした上で、「一歩を踏み出すことで得られるものもありますし、逆に責任を感じたりすることもあると思います。ですが、それも全部含めて、この物語に込めた前向きな気持ちを受け取っていただけたらうれしいです」と語った。
■放送情報
火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:永作博美、松山ケンイチ、ファーストサマーウイカ、中沢元紀、山時聡真、杏花、平井まさあき(男性ブランコ)、後藤淳平(ジャルジャル)、猫背椿、関根勤、有働由美子、佐野史郎
監督:坪井敏雄、岡本伸吾、金子文紀
脚本:兵藤るり
編成プロデュース:松本友香
プロデュース:益田千愛、鈴木早苗
主題歌:Creepy Nuts「Fright」(Sony Music Labels Inc.)
音楽:青木沙也果
製作著作:TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tokisushi_tbs/
公式X(旧Twitter):@tokisushi_tbs
公式Instagram:tokisushi_tbs
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