第79回カンヌ国際映画祭、『急に具合が悪くなる』が女優賞受賞 岡本多緒は日本人初の快挙

第79回カンヌ国際映画祭で史上初の快挙達成

 5月12日から23日(現地時間)までフランス・カンヌで開催されていた第79回カンヌ国際映画祭が終幕し、濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』で主演を務めたヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が最優秀女優賞をW受賞したことが話題となっている。

受賞時の様子(左から)岡本多緒、ヴィルジニー・エフィラ Kate Green Getty Images Entertainment :ゲッティイメージズ提供

 本年度は、コンペティション部門に『急に具合が悪くなる』のほか、是枝裕和監督の『箱の中の羊』、深田晃司監督の『ナギダイアリー』と、日本映画が3作品同時に選出されるという、25年振りの快挙を成し遂げている。そんな中、最優秀女優賞を受賞したことに対し、濱口監督は「本当に素晴らしいです。ヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さん、このおふたりこその映画だと思います」とコメント。本賞はコンペティション部門に出品された全22作のうち、もっとも優れた女優に贈られる賞で、日本人での同賞受賞は史上初の快挙となった。なお、作品自体も好評で、上映終了時は14分近くにわたるスタンディングオベーションが巻き起こった。

 受賞に対し、記者会見を終えたばかりエフィラは、公式動画コメントにて「自分の名前を聞いた時はまさかと思って、本当に頭の中が真っ白になって、魂だけが離脱してしまったような感覚でした」と語り、岡本は真っ先に監督に目を向けると、「見たことのないような優しい顔」をしていたと、興奮冷めやらぬ様子を見せた。

『急に具合が悪くなる』カンヌレッドカーペットの様子 ©︎KAZUKO WAKAYAMA

 日本人の活躍も目覚ましかった第79回カンヌ国際映画祭。併設マーケット「マルシェ・デュ・フィルム」では日本が“カントリー・オブ・オナー”を務め、Goes to Cannesプログラム枠に山﨑賢人と松下洸平のW主演作『殺人の門』が選出。ある視点部門には『すべて真夜中の恋人たち』が選出され、岨手由貴子監督が初のカンヌ入りを果たした。また、坂東龍汰と岡山天音がW主演を務めるアニメーション映画『我々は宇宙人』が監督週間部門にて上映された。

 さらに、カンヌ・プレミア部門に出品された黒沢清監督初の時代劇『黒牢城』に出演するキャストが、5月19日に行われたプレミア上映のレッドカーペットに集結。黒沢監督のほか、主演を務めた本木雅弘を筆頭に、菅田将暉、青木崇高、Snow Manの宮舘涼太が登場。特に宮舘のフォトセッション時のサービス精神やポージングが各国で話題となった。

パルムドール(最高賞)受賞の『Fjord(原題)』credits Tudor Panduru

 最高賞となるパルムドールは、ルーマニア出身のクリスティアン・ムンジウ監督による『Fjord(原題)』が受賞。ルーマニア出身で、ハリウッドでも活躍するセバスチャン・スタン、『センチメンタル・バリュー』のレナーテ・レインスヴェを主演に迎えた本作は、ルーマニア系ノルウェー人のゲオルギウス夫妻と子どもたちが、人里離れたフィヨルドの村にやってくることから生まれるドラマ。北米ではNEONによる配給が決定している。

第79回カンヌ国際映画祭 受賞結果一覧

パルムドール(最高賞)

『Fjord(原題)』クリスティアン・ムンジウ監督 

グランプリ

『Minotaure(原題)』アンドレイ・ズビャギンツェフ監督

審査員賞

『Das geträumte Abenteuer(原題)』ヴァレスカ・グリーゼバッハ監督

監督賞(同時受賞)

ハビエル・カルボ&ハビエル・アンブロッシ監督『La bola negra(原題)』
パヴェウ・パヴリコフスキ 『Fatherland(原題)』

男優賞

エマニュエル・マキア、ヴァランタン・カンパーニュ『Coward(原題)』

女優賞

ヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒『急に具合が悪くなる』

脚本賞

『Notre Salut(原題)』エマニュエル・マル

カメラドール(新人監督賞)

『Ben'Imana(原題)』マリ―=クレモンティーヌ・デュサベジャンボ

短編パルムドール

『Para los contrincantes(原題)』フェデリコ・ルイス監督

ある視点部門 作品賞

『Everytime(原題)』サンドラ・ヴォルナー監督(オーストリア)

ある視点部門 審査員賞

『Elephants in the Fog(原題)』アビナシュ・ビクラム・シャー監督(ネパール)

ある視点部門 特別審査員賞

『Iron Boy(原題)』ルイ・クリシー監督

ある視点部門 男優賞

ブラッドリー・フィオモナ・デンベアセ『Congo Boy(原題)』(ラフィキ・ファリアラ監督)

ある視点部門 女優賞

マリアナ・デ・タヴィラ、ダニエラ・マラン・ナヴァロ、マリアンジェル・ヴィレガス 『Siempre Soy Tu Animal Materno(原題)』(ヴァレンティナ・モレル監督) 

名誉パルムドール

バーブラ・ストライサンド

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