『時すでにおスシ!?』永作博美が体現した“母親のアジ” 早くも漂うロマンスの予感

『時すでにおスシ!?』が描く母親の“アジ”

 子育てを終えた喪失感から、50歳にして勢いで“鮨アカデミー”に入学したみなと(永作博美)。真剣に鮨職人を目指すクラスメイトたちを前に、これといった目標のない彼女は挫折しかけるも、担当講師・大江戸(松山ケンイチ)の言葉で退学を思いとどまった。

 今はまだ、先生と生徒。『時すでにおスシ!?』(TBS系)第2話では、そんな2人の間に早くもロマンスが生まれる予感が漂った。

 基礎練習ばかりで他クラスの生徒に遅れを取っているみなとたちに、大江戸から新たな課題が出される。それは、アジを使った一品料理を作るというシンプルなもの。「アジの味を知り、アジで自分の味を表現してください」というゲシュタルト崩壊しそうな大江戸の言葉をもとに、みなとは自分の強みや個性と向き合うが、誰に聞いてもそれらしいワードは出てこない。

 就職面接で必ずといっていいほど聞かれる「あなたの強みはなんですか」という質問。みなとが22年間続けてきた母親業には、複数のことを同時にこなすマルチタスク能力が求められる。学校行事で教師や他の保護者ともやりとりするため、社会性やコミュニケーション能力だって必要だ。そう考えると母親であること自体が強みとも言えるが、残念なことにそれが就職で有利になることはほとんどない。まさに、POISONだ。

 課題を通じて世の中の世知辛さを知るなか、みなとは独り立ちした息子・渚(中沢元紀)の「お母さんから滲み出てるのは、家族のために生きてるって感じ?」という言葉で自分の原点に立ち返る。まだ渚が小さかった頃、みなとと亡き夫・渡(後藤淳平)は子育てと仕事でお互いに忙しかった。それでも夜中に軽めの食事を作っては、その日、一日の話をしていた2人。なかでもよく作っていたのが、アジのなめろうだ。1回目は普通のどんぶりに、2回目はお茶漬けに。そうすれば、たくさん話ができる。家族のことが一番大事で、どんなに忙しくても家族の時間を作ってきたみなとの“味”が、温かな家族のエピソードに滲んでいた。

 みなとのなめろう、立石(佐野史郎)のアジフライ、蒼斗(山時聡真)の漬け丼など、比較的定番のアジ料理が並ぶなか、最も個性的だったのは胡桃(ファーストサマーウイカ)が南蛮漬けをヒントに作ったアジのエスカベッシュだ。もともとは外資系コンサル勤めだったが、クライアントに連れていってもらった店の鮨に感動し、大胆なキャリアチェンジに出た胡桃。将来的には鮨カルチャーを世界に広めるビジネスがしたいと意気込む彼女は、誰よりも向上心が強く、自分のことも世の中のことも徹底的に分析できている。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「リキャップ」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる