ヒロインを導く両親の役割とは? 『風、薫る』りんの原点を形作った北村一輝&水野美紀

放送開始から2週間が経過しようとしているいま、ついにヒロインたちの人生が交差したNHK連続テレビ小説『風、薫る』(NHK総合)。それぞれ過酷な環境に置かれている一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)の人生の一端を、私たちは見つめてきた。ここまでの展開において重要な存在として位置付けられるのが、りんの父である一ノ瀬信右衛門と母の美津だ。北村一輝と水野美紀が演じるこの存在は、はじまったばかりの本作に何をもたらしているのだろうか。

本作は、世の中が大きく変わる明治時代を舞台に、ふたりの“トレインドナース(=正規に訓練された看護師)”の活躍を描くもの。出会ったばかりのりんと直美はこれから看護師の卵となり、医師や患者たちとの関わりの中で、やがて“最強のバディ”になっていく。いまのところ、まだその未来は見えていないのだが。
けれども、なぜりんと直美がナースを目指すことになるのかは、これまでの物語の展開から想像できる。教会の牧師に育てられた直美が“人のため”に生きることを選ぶのは、ごく自然な流れだろう。そしてりんは、あの当時の流行病である「コロリ(コレラ)」で父の信右衛門を失ったのだ。“罹患するとコロリと死ぬ”ことから「コロリ」と呼ばれたあの病から、自分に力があれば父を救えたのではないか。真っ直ぐな性格の持ち主の彼女ならば、そう考えそうである。

そうなのだ。父・信右衛門は早すぎる死(=物語からの退場)を迎えたのだ。第1週目のこととあって、多くの視聴者に衝撃が走ったに違いない。
「朝ドラ」はヒロインの人生を描くものだから、物語がはじまったばかりの頃は、その両親がドラマを牽引する存在となることが多い。前作『ばけばけ』(2025年度後期)ではヒロインの幼少時代があまり描かれなかったが、前々作『あんぱん』(2025年度前期)はやはりそうだった。ヒロイン・のぶ(今田美桜)の物語が本格的にはじまるまで、母・羽多子(江口のりこ)と父・結太郎(加瀬亮)がドラマの動線を作っていたものだ。そしてこの結太郎も信右衛門と同じく、早すぎる死を迎える存在だった。




















